ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー氏らを拘束。市民や国際社会からは抗議と批判が相次いでいます。
- ピックアップ
- 新着記事
- 基礎からわかる
-
タイ政府、ミャンマー情勢に積極関与 国境付近での戦闘激化受け
2024/4/24 16:47 -
なるほドリ
ミャンマーで徴兵制開始、なぜ? 国軍が抵抗勢力と衝突、苦戦し兵力不足深刻に=回答・武内彩
2024/3/6 02:00 -
深刻化するミャンマーの人道危機 日本の役割は「難民の保護・支援」
2024/2/28 05:00政治プレミア -
ミャンマー国軍、徴兵へ 10年制定も実施されず 士気低下か
2024/2/11 12:21 -
日米英など、ミャンマー軍政に非難声明 国連安保理が緊急会合
2024/2/6 23:30 -
ミャンマークーデターから3年 軍政へ抗議の声
2024/2/1 20:51 -
「反軍」の連帯深化 国軍、劣勢でも強硬 ミャンマークーデター3年
2024/2/1 04:00 -
ミャンマー民主化のその日まで 「難民2度」日本との懸け橋願う
2024/1/30 18:09
ミャンマー国軍は2021年2月1日、与党・国民民主連盟(NLD)のアウンサンスーチー国家顧問兼外相やウィンミン大統領ら複数の政権幹部を拘束するクーデターを実行した。国軍は全土に1年間の非常事態宣言を発令した。
1日は、昨年の総選挙後初となる連邦議会(国会)の開会日で、その後第2次NLD政権が発足する見通しだった。国軍は声明で、「(選挙不正の)問題が解決されておらず、憲法に基づいて非常事態を宣言する必要があった」とし、クーデターを正当化した。
ミャンマーでは昨年11月の総選挙で、スーチー氏率いるNLDが改選476議席の8割を占める396議席を獲得し圧勝した。最大野党の国軍系・連邦団結発展党(USDP)は33議席にとどまった。
国軍側は、約1000万人分の有権者名簿に不備があり、重複投票などの不正があったと主張。だが、日本などが派遣した選挙監視団は「選挙は公正に実施された」との見解を示し、選管も調査に応じていない。そのため国軍は実力行使に踏み切ったとみられる。
アウンサンスーチー氏
1945年6月、ビルマ・ラングーン(現ミャンマー・ヤンゴン)生まれ。47年に暗殺された建国の父アウンサン将軍の娘。英オックスフォード大を卒業し、英国人学者と結婚。85~86年に日本の京都大で客員研究員も務めた。88年から民主化闘争に参加し、3度にわたり通算約15年も自宅軟禁されながら軍事政権に屈しなかった姿勢が評価され、91年にノーベル平和賞を受賞した。2012年に下院議員に初当選し、15年の総選挙ではスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝。16年にNLD政権が発足し、国家顧問となった。近年は国軍による少数派イスラム教徒ロヒンギャへの「迫害」に対し、効果的な対策を打ち出せないスーチー氏に批判も高まっていた。選挙で政権奪取、国軍に焦り
国軍がクーデターを強行した背景には、今後は選挙を通じた政権奪取がますます難しくなるとの焦りがあったとみられる。実際、ミャンマーの少数派イスラム教徒「ロヒンギャ」の問題を巡り、国際社会から指弾された国軍の影響力は、じり貧の状況にあった。
スーチー氏は少数民族武装勢力との和平と、国軍の政治関与を保障した憲法の改正を公約に掲げてきた。政権2期目に入ることで、改憲圧力が高まることは避けられない情勢にあった。また、ロヒンギャへの迫害を巡り、国連人権理事会の調査団は19年に国軍系企業に金融制裁を科すよう求め、国軍の資金源の包囲網も狭まりつつあった。
弾圧、激しさ増す
国内では弾圧の激化や、それに抵抗する人々による不服従運動(CDM)、少数民族武装勢力との戦闘が同時に起き「破綻国家」化が現実味を帯びている。ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会」によると、弾圧の犠牲者は4月23日までに745人となった。
もっと知りたい
新着記事
-
タイ政府、ミャンマー情勢に積極関与 国境付近での戦闘激化受け
2024/4/24 16:47 1717文字タイのセター政権が緊迫するミャンマー情勢への関与を強めている。背景には、国境周辺でミャンマー国軍と民主派や少数民族の武装勢力との戦闘が激化し、影響を看過できなくなっていることがある。同時に、人道問題でリーダーシップを発揮することによって、国際社会での存在感を強める狙いもありそうだ。 ミャンマー東部
-
なるほドリ
ミャンマーで徴兵制開始、なぜ? 国軍が抵抗勢力と衝突、苦戦し兵力不足深刻に=回答・武内彩
2024/3/6 02:00 826文字なるほドリ 紛争状態(ふんそうじょうたい)にあるミャンマーで徴兵制(ちょうへいせい)が始まると聞いたよ。 記者 国軍が2月10日に18歳以上の国民を対象(たいしょう)に徴兵を始めると発表しました。男性は35歳、女性は27歳までが対象で、エンジニアなどの専門職は男性が45歳、女性が35歳まで引き上げ
-
深刻化するミャンマーの人道危機 日本の役割は「難民の保護・支援」
2024/2/28 05:00政治プレミア 3649文字「数百万人もの命が危険にさらされており、ミャンマーを忘れ去られた危機にしないためにも、私たちみなができるかぎりのことをしなければならない」 昨年12月、国連人道問題調整事務所(OCHA)が発表した報告書は、深刻化するミャンマーの人道状況への危機感をあらわにした。 2021年2月1日に国軍によるクー
-
ミャンマー国軍、徴兵へ 10年制定も実施されず 士気低下か
2024/2/11 12:21 192文字民主派や少数民族武装勢力との戦闘が続くミャンマー国軍は10日、国民に兵役の義務を課す徴兵を行うことを決めた。国営テレビが伝えた。徴兵制は2010年に導入が決定されたが、これまで実施されていなかった。 昨年10月下旬に北東部シャン州などで少数民族武装勢力の蜂起を許して以降、国軍兵の投降が相次ぎ、士気
-
日米英など、ミャンマー軍政に非難声明 国連安保理が緊急会合
2024/2/6 23:30 371文字国連安全保障理事会は5日、クーデターから3年が経過したミャンマーの情勢に関する緊急会合を非公開で開催した。会合前に日米英など安保理メンバーの9カ国が、ミャンマー軍事政権による市民への暴力を「強く非難する」との共同声明を発表した。 2021年2月1日にクーデターが起きたミャンマーでは軍政と民主派、少
-
-
ミャンマークーデターから3年 軍政へ抗議の声
2024/2/1 20:51 232文字ミャンマーで国軍がクーデターにより全権を掌握してから3年となる1日、在日ミャンマー人たちが集まり「ミャンマーに自由を」と声をあげた。 東京都品川区のミャンマー大使館前では、約300人が軍政へ抗議の声をあげ、拘束されているアウンサンスーチー氏の解放も求めた。 5年前から日本で暮らしている女性(37)
-
「反軍」の連帯深化 国軍、劣勢でも強硬 ミャンマークーデター3年
2024/2/1 04:00 2476文字ミャンマーで国軍がクーデターにより全権を掌握してから2月1日で3年を迎える。この間に国軍と民主派や少数民族武装勢力との武力衝突は激しさを増し、人々の暮らしは困難を深めている。国軍は国境地帯などで急速に支配力を失いつつあるが、ミンアウンフライン最高司令官は強硬な態度を変えず、双方に譲歩の余地は見えな
-
ミャンマー民主化のその日まで 「難民2度」日本との懸け橋願う
2024/1/30 18:09 2021文字ミャンマーの国軍がクーデターで全権掌握してから2月1日で3年を迎える。クーデターで「2度、難民となった」と語るソーテイナインさん(54)は現在暮らす愛媛県松前(まさき)町を拠点に、技能実習生の世話をする一方、母国の民主化を模索する。「次世代のために自由と平和を取り戻して、両国の懸け橋になる」。ソー
-
「民族で認定、初の判断」ロヒンギャに難民認定判決 名古屋高裁
2024/1/25 20:42 670文字帰国すれば民族浄化の対象となり迫害の恐れがあるとして、ミャンマーの少数派イスラム教徒「ロヒンギャ」のキンマウンソーさん(44)=名古屋市=が、国に難民認定を求めた訴訟の控訴審判決で、名古屋高裁は25日、原告敗訴の1審判決を取り消し、国に難民認定するよう命じた。 長谷川恭弘裁判長は、ミャンマーでは2
-
弾圧下のジャーナリストのため声上げて ミャンマー民主化への思い
2023/12/15 19:31 1104文字軍政下のミャンマーで抑圧されるジャーナリストの支援プロジェクトに取り組む日本人ジャーナリスト2人は、現地取材中に一時拘束された経験がある。「ミャンマーの民主化を後押しするため、厳しい状況に置かれた現地ジャーナリストへの支援が必要だ」と訴える。 2人は北角(きたずみ)裕樹さん(48)と久保田徹さん(
-
-
「長井健司さんの遺志」記者支援 遺族ら、カメラ貸与や真相究明
2023/12/15 19:12 1009文字軍政下のミャンマーで2007年9月、反政府デモを取材中に射殺された映像ジャーナリスト、長井健司さん(当時50歳)の名を冠したプロジェクトが今月、始まる。現地取材中に一時拘束されたことがある日本人ジャーナリスト2人が長井さんの遺族と協力。現地ジャーナリストへのカメラの貸し出しなどで取材活動を支援する
-
ミャンマーの若者、「犯罪に強制加担」被害増 求人の実際は詐欺
2023/11/3 18:00 1214文字ミャンマーで2021年2月の軍事クーデター以降、犯罪組織にだまされてサイバー犯罪に無理やり加担させられる若者が増えている。政変の影響で退学や失業を経験した若者がインターネット上の求人広告などで誘われ、被害に遭うケースが多いという。東部シャン州で活動する人権保護団体「シャン人権基金(SHRF)」は、
-
過疎化のタイ 「ミャンマーから児童を輸入」人身売買で捜査も
2023/10/14 07:02 1881文字2021年2月に軍事クーデターが起きたミャンマーでは、軍と、民主派や少数民族が各地で衝突して今も混乱が続いている。隣国タイに難を逃れた4万人とも言われる市民はどのような暮らしを送るのか。タイは周辺諸国に比べて経済発展が進んで「中進国」とも言われるが、避難民受け入れで、ある問題を緩和したいという狙い
-
ミャンマーからタイに避難 違法滞在者がすがる「ポリスカード」
2023/10/14 07:01 1734文字2021年2月に軍事クーデターが起きたミャンマーでは、軍と、民主派や少数民族が各地で衝突して今も混乱が続いている。隣国タイに難を逃れた4万人とも言われる市民はどのような暮らしを送るのか。タイは周辺諸国に比べて経済発展が進んで「中進国」とも言われるが、避難民受け入れで、ある問題を緩和したいという狙い
-
混乱続くミャンマー 授業中に爆撃、徒歩でタイに越境した学生
2023/10/14 07:00 1178文字ドーン、パンパン。2021年12月15日、ミャンマー東部のタイ国境沿いの街、カイン州ミャワディ。男子学生のレインさん(18)=仮名=は教室での授業中、爆撃音に驚き、教師や友人らと慌てて外に飛び出した。ミャンマーでは同年2月に軍事クーデターが起き、今も反発する民主派勢力や少数民族が武装闘争を続ける。
-
-
ミャンマー避難民キャンプへの空爆 民主派が非難、国軍は否定
2023/10/11 16:49 350文字ミャンマー北部カチン州の避難民キャンプで9日深夜に国軍が空爆を実施し、少なくとも29人が死亡した。死者には子供が含まれ、他に60人近くの負傷者が出ている模様だ。地元メディアなどが報じた。攻撃は国軍との戦闘を続ける少数民族武装勢力、カチン独立軍(KIA)の拠点から近い場所で起きた。KIAは2021年
-
ミャンマー避難民キャンプに空爆か、29人死亡 国軍は否定
2023/10/10 23:20 457文字ミャンマー北部カチン州の避難民キャンプで9日夜、爆発があり、子どもや女性を含む29人が死亡、50人以上が負傷した。少数民族武装勢力、カチン独立軍(KIA)報道官は、国軍による空爆があったと明らかにした。地元メディアが10日伝えた。国軍は同日、空爆を否定する声明を発表した。 現場は国軍と戦闘を続ける
-
ミャンマー国軍の空爆「23年7月末までに988回」 国連が非難
2023/9/29 20:29 587文字クーデターを起こした国軍が実権を握るミャンマーで、空爆被害が深刻化している。国連人権高等弁務官事務所が9月に公表した報告書によると、クーデターが起きた2021年2月から23年7月末までに計988回の国軍による空爆を確認。死者は少なくとも281人にのぼる。ターク人権高等弁務官は26日、「軍事作戦が民
-
ミャンマー国軍、スーチー氏を恩赦で6年減刑 非難和らげる狙いか
2023/8/1 19:13 549文字ミャンマーでの2021年2月のクーデターで実権を握った国軍は1日、民主派指導者のアウンサンスーチー氏(78)やクーデター前の政権で大統領だったウィンミン氏(71)への恩赦を発表した。両氏はクーデター後に汚職など複数の罪で有罪となったが減刑された。仏教の祝日に合わせた措置で、少数民族武装勢力のメンバ
-
ミャンマー国軍、非常事態宣言を4度目延長 支配さらに長期化
2023/7/31 21:51 1105文字ミャンマー国軍は31日、同日に期限満了となった非常事態宣言を6カ月延長した。2021年2月1日のクーデター時に発令した同宣言の延長は4回目。民政復帰に向けた総選挙も先延ばしされ、国軍の強権支配がさらに長期化する。国軍は民主派勢力の武装組織や少数民族武装勢力との戦闘が続き、国内情勢が不安定なことを延
-