特集 愛知リコール不正

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愛知県知事の解職請求(リコール)を目指した運動。署名偽造に関与した疑いで、活動団体事務局長らが逮捕されました。

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 愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動を巡る署名偽造事件で、県警は2021年5月19日、署名偽造に関与した疑いが強まったとして、署名活動団体「愛知100万人リコールの会」事務局長の田中孝博容疑者(59)=同県稲沢市=ら4人を地方自治法違反(署名偽造)容疑で逮捕した。県警は民主主義制度を悪用した事件の全容解明を進める。

田中孝博容疑者
田中孝博容疑者

 他に逮捕されたのは、田中容疑者の妻でパート、田中なおみ(58)▽次男で塗装業、田中雅人(28)▽リコールの会事務局会計担当でアルバイト、渡辺美智代(54)――の3容疑者。

 逮捕容疑は共謀し、20年10月下旬ごろ、愛知県外で他者に署名を代筆させ、署名簿を偽造したとしている。県警は4人の認否を明らかにしていないが、田中容疑者が事件を主導したとみて調べている。

 署名偽造を巡っては田中容疑者らが佐賀市内でアルバイトを雇用し署名を代筆させた疑いが持たれている。関係者によると、田中容疑者は名古屋市の広告関連会社を通じて代筆スタッフを集めるよう依頼。自身の署名と押印が入ったアルバイト集めのための474万6500円の「発注書」を出していた。田中容疑者は逮捕前、毎日新聞の取材に事件への関与を一貫して否定していた。

リコール署名偽造事件の構図
リコール署名偽造事件の構図

発端はトリエンナーレ

 署名活動は美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長を代表に、河村たかし・名古屋市長が協力し、20年8~11月に行われた。19年に開かれた「あいちトリエンナーレ」の企画展を巡る知事の対応が発端だったが、請求に必要な法定数約86万人に対し、提出は約43万人分で不成立となった。

 通常不成立なら署名の有効性は調べないが、県選管は「不正の情報があった」とし、12月から異例の全数調査を行ってきた。結果、署名の83%にあたる約36万人分を「有効と認められない」と判断。筆跡などから同じ人が書いたと疑われる署名が90%と多数に上ったほか、選挙人名簿に登録のない署名が48%、活動の受任者が選挙人名簿に登録されていないケースも24%あったという。

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