下関市上田中町の市立下関図書館が31日で閉館し、40年の歴史に幕を閉じた。この日は元館長の野村忠司・下関市文化協会会長(72)が「さよなら下関図書館」と題し講演するなど、文化発信拠点として愛された館との別れを惜しんだ。館の機能は来年3月にオープンする市立中央図書館に移される。
下関図書館は69年、明治維新100周年事業として新築。歴代の館長が趣向を凝らし、女性のための作文や詩の教室、読書グループの朗読劇、レコードコンサートなど多彩な催しを開いてきた。近年は建物の老朽化や駐車場不足が深刻になっていた。
初代館長の故中原雅夫さんの下で働き、93~98年に第5代館長を務めた野村さんは、講演で館の歴史を紹介。開館当初、直木賞受賞前の古川薫さん(84)が講師だった市民作文教室などを回顧し「図書館が文化の伝導役だった」と懐かしんだ。子どもに物語を語って聞かせるボランティア、小畑乃武子さんの「おはなしの会」は06年に2500回を数えたという。
新しい図書館は指定管理者制度で民間の運営になる。野村さんは「私たちがどう育てていくか。市民の図書館を皆で形作っていきましょう」と呼びかけていた。【取違剛】
〔下関版〕
毎日新聞 2009年11月1日 地方版