上関町長島での原発建設計画を巡り、埋め立て作業区域を示す灯浮標(ブイ)を設置し終えた中国電力は5日、埋め立てする海底の起伏を船で測量した。原子炉を設置する予定の田ノ浦海岸の測量を終えたが、予定地北側の取水口付近の測量は、同町祝島の漁船などに囲まれて断念した。埋め立て工事着手後、予定地での阻止行動は初めて。中電は、祝島の漁民らが埋め立て作業区域内で妨害行為をしないよう求める仮処分を地裁岩国支部に申し立てており、裁判所の判断に影響を与える可能性もある。
中電によると、4日に測量に着手し、阻止行動はなかったという。5日は、祝島の漁船10隻以上が測量船に近づき、午前10時ごろから作業を中断。移動するよう呼びかけ、にらみ合いの末、午後2時半ごろに断念した。
埋め立て工事の妨害禁止仮処分を巡り、祝島漁民らは、平生町田名埠頭(ふとう)でのブイの積み込み作業に関するやりとりを理由に、埋め立て作業区域内の妨害行為を禁止する必要性は認められないと主張している。中電は「今回の行動は、作業区域内での妨害に当たる」と指摘した。「上関原発を建てさせない祝島島民の会」の山戸貞夫代表は「4日に漁をしていた漁船が、中電に『調査の邪魔になる』と言われ、追い出された。5日はその抗議をしたまで」と反論している。【近藤聡司】
〔山口東版〕
毎日新聞 2009年11月6日 地方版