- ポスト
- みんなのポストを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
「類人猿が人類の起源って本当かな」。最近、友人に聞いたら大笑いされた。「何言ってるの、神様が創造したんだよ」。友達の笑い声を聞きながら、日本人の宗教観はとても柔軟だと教えてくれた日本人の友人のことを思い起こしていた。
エジプトに限らず、中東では、信仰心が人々の体に染みこんでいる。私たちの背骨だと言っていいかもしれない。首都カイロにあるキリスト教会のタワドロス司祭(51)は「難しい手術を成功させる名医でさえも、患者の命を救うために神に祈る。中東には三つの神聖なる宗教(イスラム教、キリスト教、ユダヤ教)のルーツがあり、人々は今も信心深い」と話した。そして「神が人類を創造したというのは、三つの宗教に共通する見解だ」と続けた。
こうした背景があり、中東ではダーウィンが説いた進化論が受け入れられているとは言い難い。現生人類の祖先とされるアウストラロピテクスの骨が発見されたと聞いても、多くの人は祖先だとは信じていない。
この記事は有料記事です。
残り621文字(全文1031文字)