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ノーベル物理学賞を受賞した赤崎勇・名城大終身教授(85)は2011年11月21日掲載の毎日新聞朝刊で自身の根底に「理系を選んだのも(戦争からの)復興に役立つことができるのではと考えたからです。根底には戦争体験がある」と語っていた。記事全文を再掲する。
学校と私:精神の根底には戦争体験がある=名城大教授、赤崎勇さん
1942(昭和17)年、旧制の鹿児島県立第二中学に入学しました。2年生から食料増産のため農村で手伝ったり、軍事教練をやりました。少年だったのでよく分かりませんでしたが、敗色が徐々に濃くなっていたのですね。家から中学へ通う途中に後に進学する第七高等学校があり、帰りに立ち寄り、クローバーが散ったグラウンドによく寝転んでいました。戦争で切迫した時代だったはずなのに気持ちが和みました。リベラルな雰囲気を感じていました。
4年生になると戦争はますます激しくなり、4月1日、県内の中学生全員が県庁前に集められました。両親たちも参列し、中学生は水杯を交わし佐世保の海軍工廠(こうしょう)に強制的に学徒動員に行かされました。今度いつ会えるか分からなかった。
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