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究極の環境車に乗ってみた ホンダのクラリティ

ホンダの燃料電池車「FCX CLARITY(クラリティ)」
ホンダ「クラリティ」のダッシュボード中央部には燃料電池の発電モニターが置かれている
トランクルームの下に171リットルの水素タンクが置かれている
水素の補給口
トヨタが発売したミライ
日産の「X−TRAIL FCV」

 燃料電池車(FCV)の普及に不可欠な水素ステーションの設置を促進する「水素供給・利用技術研究組合」(東京都港区)の主催で、自動車メーカー各社が開発しているFCVの試乗会が開かれた。FCVは水素と空気中の酸素で発電した電気で走り、走行中に有害な排ガスを出さない究極の環境車だ。FCVのハンドルを実際に握って運転した印象をリポートする。【仲村隆】

一般家庭5、6軒分の電気を発電

 試乗会には、トヨタ自動車が昨年12月に世界に先駆けて発売した「MIRAI(ミライ)」やホンダの「FCX CLARITY(クラリティ)」、日産自動車の「X−TRAIL FCV」の3メーカー3車種が用意された。このうち、試乗できたのはホンダのクラリティー。4人乗りのセダンタイプで、キーを回してハンドル左にあるシフトレバーを「D(運転)」にセットし、アクセルを踏むとかすかに「ヒューン」という音がした。燃料電池に空気をおくるコンプレッサーの音だという。

 一般家庭家庭5、6軒に相当する電気を発生する100キロワット燃料電池とモーターは、当然ながらエンジン音はしない。車内では風を切る音とタイヤが地面を転がる音だけが聞こえて極めて静かだ。アクセルを踏み込んでも「ウィーン」とエンジンの回転数が上がるような音はしないので、うっかりするとスピードが出過ぎてしまうことも。

重心が低くきびきび走る

 運転席のダッシュボードに表示されるのは、スピードメーターと燃料電池の出力モニターだ。車が走り始めると発電量を表示する。運転席のコンソールボックスが盛り上がっているが、この下に燃料電池があるという。重量のある燃料電池やバッテリー、水素タンクなどは床に置かてれおり重心は低い。このため安定性があり、カーブでもキビキビと曲がって安心を感じる運転ができた。一方、アクセルは踏んだだけ加速する。アクセルから足を離すとモーターが発電してバッテリーに充電され、ブレーキもかかる。以前乗った電気自動車の感覚と似た感覚だ。

満タンで600キロ超走る

 水素タンク(容量171リットル)が満タンで走ることのできる距離は620キロ(カタログ値)。水素スタンドで水素の充填(じゅうてん)にかかる時間は3、4分とガソリンと変わらない。気になる経済性は満タンで約4000〜5000円かかり、最新のハイブリッドカーには及ばないが、ガソリン車とは肩を並べられるくらいだ。ただ、2008年からリースを始めたクラリティは年間100万円のリース料がかかるので、一般家庭にはまだ高根の花だ。

ミライは723万6000円

 トヨタが世界で初めて昨年12月から市販するFCVのミライの価格は、補助金抜きで723万6000円だ。ホンダも2016年度末までに市販車の投入を表明しており、ホンダの試乗担当者によると「クラリティよりも性能と価格で競争力のある車をだす」と意気込んでいる。また、今回試乗車を出した日産も17年度中の発売を予定している。ここ数年で大手各社がFCVを投入して出そろえば、そう遠くないうちに手ごろな価格のFCVも市場に登場するのではないだろうか。

普及のカギは水素ステーション整備

 そんな中で、FCVの普及に向けて課題となるのが水素ステーションの整備だ。電気自動車の充電ステーションは3月末までには6000基になる見通しだ。ただ、水素ステーション1カ所あたりの設置コストは4億〜5億円もするため整備が進んでいない。資源エネルギー庁が15年度末までに全国100カ所の設置を目標に掲げているが、水素供給・利用技術研究組合では「究極のエコカーと言われるFCVの普及のため、行政、自動車メーカー、水素供給業者がそれぞれ協力し整備を急ピッチで進める必要がある」と話している。

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