＜特定秘密保護法に言いたい＞新安保法制は例外に　同志社大教授・武蔵勝宏さん

　政府は他国軍の後方支援を可能にする安全保障関連法案を提出し、自衛隊の海外派遣の範囲を広げようとしている。ほとんどの法案に、原則として国会の事前承認を義務づける規定が入る見込みだ。国会は、その派遣が憲法の禁じる武力行使に当たらないかをチェックすることになる。

　問題は判断材料が国会議員に与えられるかどうか。国会が承認するのは「基本計画」。イラク派遣では人数、活動地域のほか、「軽装甲機動車」「無反動砲」などと装備の種類も書き込まれた。

　しかし、特定秘密保護法の施行で、こういう基礎的な情報が基本計画に書かれなくなる恐れがある。自衛隊の運用計画や武器の種類に関する情報も特定秘密の対象になっているからだ。「車両１００両」などとあいまいな表現をされたら、国会議員には判断できない。国会の情報監視審査会が特定秘密を開示するよう政府に勧告できるが、「国の安全保障に著しい支障がある」と判断すれば政府は拒否できる。