SUNDAY LIBRARY

堀 和世・評『戦下のレシピ 太平洋戦争下の食を知る』斎藤美奈子・著

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷

戦争を作って食べてみる 腹の底から70年前を知る

◆『戦下のレシピ 太平洋戦争下の食を知る』斎藤美奈子・著(岩波現代文庫/税抜き860円)

 兎(うさぎ)を1羽2羽と数える習わしの元ははっきりしないが、獣肉食を禁じる仏法の手前、兎を鳥とみなしたという説はもっともらしい。

 だが、確かに兎はけものであり、さもなければ鳥と偽ってまでして食うことはない。

 兎が鳥である限り、誰も法を侵したことにはならない。むろんこれは安倍政権がごり押しする安保法制のアナロジーである。自衛隊の後方支援は米軍による武力の行使と一体化しないと言う。しかし本当は一体化したいのだ。さもなければ合憲と偽ってまで、自衛隊員に命を懸けさせることはない。

この記事は有料記事です。

残り808文字(全文1115文字)

あわせて読みたい

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月