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燃料劣化が進む ナトリウム漏れ事故20年

日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」=福井県敦賀市で、本社ヘリから三村政司撮影

 1995年12月8日にナトリウム漏れ事故を起こした高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、燃料のプルトニウムが劣化し続けていることが、運営する日本原子力研究開発機構への取材で分かった。ほとんど運転していない20年間に、プルトニウムの一部が核分裂しにくい「アメリシウム241」に変化しているという。同機構は「現時点で運転に支障はない」とするが、停止が長引けば燃料を交換する必要に迫られる恐れがあると認めている。

     もんじゅの炉心では、プルトニウムなどの燃料を核分裂させて発電する。核分裂したプルトニウムからは中性子が飛び出し、別のプルトニウムに衝突して核分裂させる。こうした連鎖が繰り返され、核分裂が維持される。

     ところがアメリシウムは中性子を吸収して、核分裂にブレーキをかける働きをする。NPO法人原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「核分裂しないアメリシウムが増えた状態は、劣化した燃料と言える」と話す。

     実際、機構は2010年の再稼働時、アメリシウムへの変化に伴い、198体の燃料のうち6割にあたる117体を交換した。機構によると、この時の調査で燃料全体の重量の1%強がアメリシウムになっていることが確認された。

     機構の担当者は「現時点ではフル出力で運転もできると考えている」とする。一方で、「このまま停止が長期間にわたって続けば、(アメリシウムが増え続け)燃料を交換しなければならなくなる」と打ち明ける。

     もんじゅは85年に着工し、95年に発送電を始めたが、ナトリウム漏れを起こして長期停止した。10年5月に再稼働したものの、同8月に燃料交換装置が原子炉内に落下して以来、再び停止している。

     停止中にも維持費などで年平均約223億円が支出されている。もんじゅ関連の総費用は今年3月末までに約1兆1703億円にのぼっている。機構によると燃料1体当たりの製造価格は数千万円。予備の燃料は42体あるが、運転再開の際に交換用燃料を手配した場合、さらに費用が上積みされる可能性がある。

     一方、原子力規制委員会がもんじゅの運営主体を機構から交代させることを勧告しており、再稼働できるかは不透明な情勢だ。【畠山哲郎】

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