メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

余録

中国ではPM2.5(微小粒子状物質)により視界がかすむ…

 中国ではPM2・5(微小粒子状物質)により視界がかすむ大気汚染を「〓霾(ウーマイ)」と呼んでいる。〓は霧の簡体字、霾は土ぼこりによる大気の濁りを指す字である。この組み合わせがPM2・5を示すのに数年前からさかんに使われ出した▲「霾」は古代の殷(いん)の甲骨(こうこつ)文字にも見られる由緒(ゆいしょ)正しい字らしい。殷はよく黄砂に見舞われたからだ。その後も黄砂を表してきた「霾」だが、簡体字になるほど多用されていたわけではなさそうだ。それが今や流行語である▲この文字、日本では「ばい」や「まい」の音読みがあり、「つちふる」という訓読みが春の季語なのも黄砂現象のためであった。では本格的な冬もこれからというのに、もしや日本でも霧霾が流行語になりはしまいかとの心配を抱かせる北京での赤色警報発令である▲4段階に分けた色別の北京市の大気汚染警報で、最高の赤色警報は深刻な汚染が長時間続くと予想される場合に発令される。PM2・5の濃度はピーク時に日本の環境基準値の10倍程度に達し、たちこめるスモッグは鼻を突く悪臭を放っていたというからたまらない▲車や工場への規制により警報はきょうにも解除されそうだが、厳寒期を迎える今後も深刻な汚染はくり返されよう。また例年ならば冬季は日本への影響は少ないはずが、暖冬の今季は警戒が必要だそうな。今度の霧霾も北海道への飛来の可能性が取りざたされている▲「霾」の来歴が示す通り、同じ大気を呼吸する日中両国民である。中国には人の命と健康を守るのを最優先の国策としてもらいたい。日本も協力を惜しめば季節を問わず「つちふる」国となりかねない。

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 日産会長逮捕 ゴーン神話「数字の見栄え良くしただけ」
    2. ゴーン会長逮捕 日産社長「私的流用、断じて容認できない」 会見詳報(1)
    3. 日産 ゴーン会長を解任へ 「会社資金を私的に流用」
    4. 高校野球 練習試合で頭に死球、熊本西高の生徒が死亡
    5. 日産会長逮捕 再建神話、地に落ち 社員に衝撃と動揺

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです