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輸送防護車

海外テロでの邦人対象に…陸自が配備

陸上自衛隊が配備した輸送防護車=群馬県榛東村の相馬原演習場で2015年12月17日午前11時40分、町田徳丈撮影

 海外でテロ事件や騒乱が起きた際に邦人を輸送する「輸送防護車」を陸上自衛隊が配備した。地面に仕掛けられた爆発物の衝撃にも耐える防護性の高い対テロ仕様だ。安全保障関連法に基づく新任務「在外邦人救出」や「駆け付け警護」にも将来的には使われる可能性がある。

     群馬県榛東(しんとう)村の相馬原(そうまがはら)演習場で17日あった在外邦人輸送訓練で初めて公開された。8人を収容できる輸送員用のスペースに邦人役を乗せ、陸自隊員が車両の天井窓から顔を出して警戒しながら走行した。

     自衛隊は当初、安保関連法で加わった在外邦人救出訓練を実施する予定だったが「拙速を避け慎重に」との政府方針で救出訓練は見送られた。

     輸送防護車はイラクやアフガニスタンでの対テロ戦争で路上に仕掛けられた即席の爆破装置(IED)による死傷者が多発した米軍が2007年に購入し、使用してきた。

     今回の自衛隊配備のきっかけは13年1月、日本人10人が死亡したアルジェリア人質事件。当時の自衛隊法は在外邦人の救出に自衛隊を向かわせる場合、航空機と船舶による「輸送」しか認めておらず、事件では飛行場に政府専用機を待機させるしかなかった。

     政府は13年11月に陸上輸送が可能になるよう自衛隊法を改正。13年度の補正予算で輸送防護車4両分の7億円を計上し、オーストラリア陸軍が採用する車種を今年3月、国内外での緊急事態などに対応する中央即応連隊に配置した。来年度予算の概算要求にも4両の購入を盛り込んだ。

     特徴は、IEDの爆風を左右に逃がすため、車体底部がボートの船底のようにV字構造になっている点だ。従来の陸自の輸送車より装甲が丈夫で、最高時速は100キロ。

     自衛隊幹部は「邦人救出後の輸送や国連平和維持活動(PKO)の駆け付け警護で救助した非政府組織や他国軍の輸送にも活用はできる」と話す。

     元陸上自衛官の志方俊之帝京大名誉教授(安全保障)は「海外での活動が今後更に要求される自衛隊に見合った車両で、さまざまな活用法がある。アフリカや中東のテロの脅威度が高い地域を通過する際に有効。軽度の戦闘行為で身を守るには適切な装備で、駆け付け警護など非戦闘員の救助で使われる可能性はある」と語った。【町田徳丈】

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