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自動ブレーキ

国交省が格付けへ 「対人」普及促す

自動ブレーキの仕組み

 国土交通省は2016年度から、車と歩行者の衝突を避ける「自動ブレーキ」を搭載している市販車を審査、格付けする。結果を公表して消費者に車選びの参考にしてもらうことで、メーカー側に自動ブレーキの普及と機能向上を促し、歩行者が巻き込まれる死傷事故の減少につなげたい考えだ。

 自動ブレーキは衝突の危険が高まると警報ブザーや画面表示で知らせ、ブレーキがかかる装置。車体前方に取り付けたカメラやレーダーで、前の車や歩行者との距離を測るが、車に比べて歩行者は動きが複雑で検知が難しいとされる。電柱や街路樹を誤検知するおそれもある。市販車に搭載されている自動ブレーキの中には、対人事故の防止効果がないものも含まれている。

 格付けは、国交省が実施している自動車アセスメント制度の「予防安全性能評価」。現在は▽後方の死角解消装置▽車線はみ出し防止装置▽自動ブレーキの車との追突防止機能−−の3項目を審査している。14年はレクサスLS(トヨタ)やスカイライン(日産)、レヴォーグ(富士重工業)などが満点を獲得した。16年度から自動ブレーキの対人事故防止効果を審査項目に加え、直近1年以内の販売台数が多い25車種程度を調べる予定だ。

 国交省によると、昨年の交通事故死者4113人のうち歩行者は1498人に上り、08年から7年連続で最多だった。歩行者の飛び出しによる死亡事故が目立つため、歩行者に見立てた人形を使って明るい場所で走行中の車の横方向から飛び出す場面を想定して審査する。時速10〜60キロの間で速度を変えて走行を繰り返し、停止できるかを調べる。

 審査結果は車種ごとに公表される。高性能の自動ブレーキは価格も高く、現在は高級車に限られがちだが、各メーカーは格付けで高評価を得ることで安全性をアピールできるようになる。国内の自動ブレーキ搭載車は13年に65万3000台だったが、車との追突防止機能が審査対象になった14年は179万8000台に増えた。国交省は審査項目を追加することにより、対人事故防止の自動ブレーキが大衆車に広がると期待している。

 ただ、追突防止機能の審査では、低速では停止できても、時速30キロ以上では減速が間に合わずに追突する車が目立った。走行中の事故を確実に防げる自動ブレーキの開発は容易ではなく、国交省の担当者は「あくまで運転を補助する装置なので、自動ブレーキに頼った運転はしないでほしい」と強調している。【内橋寿明】

高齢運転者関わる死亡事故 10年で1.7倍

状態別の交通事故死者数

 国が自動ブレーキ搭載を促す背景には、高齢ドライバーによる事故が増えていることもある。

 警察庁の統計によると、原付きバイクや車が関わった2013年の死亡事故(3854件)のうち、事故の過失がより重い「第1当事者」が65歳以上の高齢者だった割合は25.4%(977件)だった。03年は14.9%(1029件)で、10年で1.7倍に増えている。

 国は70歳以上のドライバーに対し、免許更新時に一律に高齢者講習を受けるよう求めている。今年6月に成立した改正道交法は、75歳以上が受ける「認知機能検査」で認知症の疑いがあるとされた全ての人に医師の診察を義務づけている。

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