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手仕事の里へ

宮島杓子(広島県廿日市市) 使い込むほど手になじみ

しゃもじをやすりにかけて磨く藤井佐武郎さん=広島県廿日市市で、中本泰代撮影

 <CULTURE>

 広島県廿日市市の宮島口からフェリーで10分、宮島へ。取材に訪れた日は秋晴れで、世界遺産・厳島神社の参道は観光客でいっぱいだ。土産物店の店先では、「家内安全」「合格」「必勝」などの文字が入った大きなしゃもじが目を引くが、そばには実用的なしゃもじも控えめに並ぶ。

 名産品「宮島杓子(しゃくし)」の歴史は、18世紀末に始まる。村上誓真(せいしん)(誓真さん)という僧侶が「島民に産業を」と考案し、作り方を指導したとされる。土産物として定着し、明治に入ると問屋によって大阪にもたらされ評判になった。さらに日清・日露戦争の頃には、対岸の宇品港から出征する兵士たちが厳島神社に戦勝祈願に訪れ、「敵を召し取る(=飯とる)」縁起物として買って帰り、全国に広めたという。

 さて、目指す「宮島工芸製作所」は、にぎやかな参道から脇道をしばらく行ったところにあった。迎えてくれ…

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