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沖縄県が国提訴 「抗告訴訟」那覇地裁に

辺野古移設をめぐる流れ

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沿岸部への移設計画を巡り、沖縄県は25日、翁長雄志(おなが・たけし)知事による埋め立て承認取り消し処分の効力を執行停止した国土交通相の決定は違法として、決定の取り消しを求める「抗告訴訟」を那覇地裁に起こした。併せて判決が出るまでの間、国交相の決定の効力を執行停止するよう申し立てた。記者会見した翁長知事は「移設工事を止めることが一番重要。抗告訴訟の提起は工事を止めるうえで有効な方法だ」と提訴理由を説明した。

     翁長知事による埋め立て承認取り消しの撤回を求める「代執行訴訟」を国が既に起こしており、双方が互いに提訴する異例の事態となった。

     訴状で県は、沖縄防衛局が行政不服審査法に基づいて行った承認取り消しの執行停止の申し立てを国交相が認めたのは「違法」と主張。「行政不服審査制度は私人の権利利益の救済が目的で国(沖縄防衛局)には請求適格が認められず、国交相は却下すべきだった」とし、「それにもかかわらず国交相は埋め立て工事を実施する目的で執行停止決定を行っており、違法性は明らかだ」と指摘した。

     「沖縄県の民意に反して新たに米軍基地を建設することは沖縄県の自治権を侵害するもの」とも訴えた。

     抗告訴訟は行政事件訴訟法に基づき、行政庁の公権力の行使に不服がある場合に処分の取り消しなどを求めるもの。国民の権利利益を保護するための訴訟制度で、自治体の訴えは対象にならないとの見方もある。

     翁長知事は会見で「沖縄の主張は正当で必ず理解が得られると思っている」と移設阻止の決意を示した。これに対し、菅義偉官房長官はBS朝日の番組収録で「わが国は法治国家だ。(前知事の承認で)行政の判断は出ている」と強調した。国交相の決定を受けて沖縄防衛局の移設作業は現在も進んでおり、中谷元(げん)防衛相は記者団に「一日も早く移設が完了するよう全力で工事を進めたい」と述べた。

     一方、国交相の決定は違法だとする翁長知事から審査の申し出を受けていた総務省の第三者機関・国地方係争処理委員会は24日夜、審査対象には当たらないとして県の申し出を却下することを決めた。

     翁長知事は25日の会見で「実質的な審査を一切行わずに却下した判断は係争処理委の存在意義を自ら否定しかねず、誠に遺憾」と強く批判。決定に不服がある場合は30日以内に高裁に提訴できるため、県は検討を開始した。訴訟になれば、辺野古移設を巡って国と県の間で三つの訴訟が並行することになる。【佐藤敬一、高本耕太】

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