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号外山口県沖で空自F2戦闘機レーダーから消える 2人が搭乗
余録

堤清二さんは、流通大手セゾングループの元代表であると同時に…

 堤(つつみ)清二(せいじ)さんは、流通大手セゾングループの元代表であると同時に、辻井(つじい)喬(たかし)の筆名で作家として知られた人だった。東京大学に進み共産党に入党した後、父で衆院議長の康次郎(やすじろう)氏の秘書も務めた。一身にして二生どころか実に多彩な人生だったに違いない▲2013年に86歳で死去した時、多くの新聞が経済人、文化人としての側面を報じた。手厚い記事にもどこか物足りなさが残ったのは、多くの顔を考えれば致し方ないかもしれない。小紙では、1999年から亡くなるまで、毎日出版文化賞の選考委員をお願いした▲記憶に残るのは、例えば戦前の思想家・北一輝(きたいっき)の評伝が受賞した05年である。<「ファシストか社会主義者かというレッテル張り」が横行している情(じょう)況(きょう)から彼を救い出す仕事に著者は生涯をかけてきたと言っていい>。辻井さんらしい選評が紙面を飾った▲そんな堤さんへのインタビュー「わが記憶、わが記録」(中央公論新社)が先月出版された。学者3人に、家族のこと、経営の成功と失敗、セゾン文化、作家活動を縦横に語る。時に「辻井喬」の世界から動かない語り手を聞き手が「堤清二」に連れ戻す様子は、緊張感がある▲「楯(たて)の会」の制服を作るなど、三島由紀夫(みしまゆきお)と自殺の直前までつきあいがあったこと。相性の悪かった中曽根康弘(なかそねやすひろ)元首相とは、俳句を通じて話をするようになったこと。自らは革新支持でも、「人間としてまっしぐらに生きようとしていれば、右でも左でも構わない」▲諸事、二項対立で論じられることが多かった年が暮れゆく。腰を据え、来し方行く末を思うには、堤さんの夢の跡を追った書がふさわしい。

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