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防衛費5兆円 納得いく説明がほしい

 2016年度予算案の防衛費が5兆541億円となり、初めて5兆円の大台を超えた。前年度に比べ740億円、1.5%の増加は、他の歳出と比べても優遇ぶりが際立つ。防衛費は安倍政権が発足して以来、これで4年連続の増加となる。

     中国や北朝鮮の情勢に対応するため、離島防衛や日米同盟の強化をはかるというのが現在の防衛力整備の基本的な考え方だ。それ自体は必要なことだが、精査は十分だろうか。

     防衛費は、装備品の調達内容や総額が5カ年計画の中期防衛力整備計画(中期防、14〜18年度)で決まっている。来年度の防衛予算案も、これに沿って編成されている。

     それにしても新型輸送機オスプレイ、滞空型無人機グローバルホーク、戦闘機F35A、新早期警戒機E2D、水陸両用車など、米国製の高性能で高額な装備品の購入が目立つ。

     主要装備の調達や工事は数年がかりのため、予算は分割払いされる仕組みだ。来年度に発注する装備や工事で、新たに再来年度以降に後払いが生じてくる額は2兆円を超える。

     後払いが膨らむだけでなく、高額な装備は維持費もかさむだろう。将来的に防衛予算を圧迫しかねない。

     例えばオスプレイは、今夏の概算要求の時点では12機をまとめ買いして経費を削減する予定だった。

     だが、米側から技術支援を受けるための経費などが、新たに約200億円必要になることがわかり、結局、来年度は4機の購入に変わった。

     来年3月末に安保法制が施行され、自衛隊の活動内容や範囲が拡大し、それに対応するための訓練が行われれば、必要経費は増すだろう。

     安倍晋三首相は、防衛費の総額は中期防で決まっており、安保法制に伴って防衛費が増えることはないと言う。だが、中期防には3年後の見直し規定がある。中期防3年目にあたる来年度の終わりごろには、見直し圧力が強まるかもしれない。

     在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)は、日米交渉が増額で決着し、前年度より21億円増の1920億円が計上された。

     米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設をはじめとする米軍再編経費も大幅増となった。

     政府が、移設に反対する名護市を通さず辺野古周辺3地区に直接交付する新設の補助金は、前年度より倍増の7800万円が計上された。防衛省によれば、具体的な使途は決まっていないという。いわばバラマキ予算だ。

     日米同盟の強化は重要だが、増額ありきで、チェックが甘くなっていないだろうか。年明け早々の通常国会では、政府は5兆円の中身について納得いく説明をし、野党は厳しく追及してもらいたい。

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