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30%目標の断念 「輝く女性」の看板が泣く

 「2020年までに官民の指導的地位に女性が占める割合を30%程度とする」という目標を、政府が事実上、断念した。

     来年度からの5年を対象とする「第4次男女共同参画基本計画」が閣議決定された。最終年度は30%目標の期限と同じ20年度だ。政府は30%の旗を降ろしていないと言うが、実態があまりにも目標とかけ離れているため、分野ごとに現実的な数値を掲げざるを得なかった。

     その低さにはあきれるばかりである。特に本来、範を示すべき公的部門が遅れているのは問題だ。

     霞が関の本省で働く国家公務員の課長級は、20年度の目標が7%である。現状(3・5%)の倍とはいえ、民間企業の現状(9・2%)や目標(15%)に比べ見劣りする。

     確かに公務員の課長級ポストは限られており、短期間で女性の比率を大幅に引き上げようとすれば、多数の男性課長にポストを空けてもらわねばならなくなる。だが、30%目標が掲げられたのは03年のことだ。当初から本気で取り組んでいたら、12年後の今、3・5%ということはなかっただろう。今になって「人材が育っていない」は理由にならない。

     政治の分野でも遅れは甚だしい。

     列国議会同盟(IPU)によると、衆院の女性議員比率(9・5%)は世界ランキングで上から153番目である。女性閣僚は現在、19人中3人だ。隗(かい)より始めていないということである。

     今回の基本計画によれば、衆参両院議員の候補者に占める女性の割合は従来通り30%が目標だ。ただ女性議員を30%以上とするためには、女性候補者30%では不十分である。

     日本で女性の起用が進まない中、世界はさらに前進した感がある。女性国会議員の比率が30%以上の国の数は03年の14カ国から今年(11月現在)は45カ国に増えた。カナダでは、新政権発足に伴い、閣僚の男女比が初めて半々になった。

     安倍政権は「すべての女性が輝く社会」の実現を看板政策の一つに掲げている。保育所の整備や長時間勤務の是正、男性による育児休業取得率の向上、さらに専業主婦世帯を前提に作られた税制や社会保障制度の廃止など、早期に成果が求められる課題は山積している。それなのに、政策を立案したり、決定したりする立場の議員や行政の幹部に女性が少なくては始まらない。

     海外を見ても、公的部門が女性の地位を高めてから、民間に高い目標を課すのが一般的だ。安倍晋三首相は行政の長として、また最大与党のトップとして、まず自らの権限で実現できる、インパクトある変化を示し、風を起こしてほしい。

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