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鉄道マニア石破地方創生相「乗れたら泣くかも」

新幹線に乗り込み、笑顔で手を振る石破茂・地方創生相=JR東京駅で、森田剛史撮影

 ななつ星の成功に限らず、鉄道に関連した地域興しの動きが盛んだ。国の地域興しの責任者であり、鉄道にも造詣の深い石破茂・地方創生担当相に「鉄道と地方創生」について聞いた。【聞き手・本多健】

 速さは飛行機。ドア・ツー・ドアはクルマ。安さならバス。そうした時代に鉄道の価値とは何だろう。

 鉄道がシステムとして地域を活性化させるのは、自然といろいろな人が関わるからでしょう。鉄道があるところに町ができるのはそのためです。そうした特性は今も昔も変わらない。そして、鉄道には自由な時間と広い空間がある。これは、人生とか生きることの意味にまで深く関わってくる。

 選挙区が山陰線沿いの鳥取ですから、昔は3段式の寝台の最上段によく乗りました。多い時は週に4回。ただ、この時間はすべて私の時間でした。誰にも邪魔されず、本を読もうが、考え事をしようが自由。B寝台の狭い最上段でもカーテンで区切った個室のような空間があった。子どものころ、押し入れで漫画を読んでいるような、ね。今は廃止されましたが、あの時間を過ごせた寝台特急「出雲」がなかったら、私は心の平安を保てたかとさえ考えます。

 「線路は続くよどこまでも」ではないけれど、この先はどこに向かうのか。「東京」という行き先表示は光り輝いていた。わくわくしませんでした?機能的に完成された交通機関にはない、何か心が震えるものが「出雲」にはありました。

 鉄道を移動の手段としてではなく、人生を楽しむ場所として位置づけたのがJR九州の豪華寝台列車「ななつ星」です。経営者の鉄道への思いや執念、あるいは夢。デザイナーの類いまれな発想と芸術性。共感した地域の人たちの力。それがあの列車を生みました。

 「世界一の列車を作りたかった」。JR九州の唐池恒二会長はそう話されます。いま日本で、世界一を目指しているものはどれくらいあるだろう。大勢の人が手を振る。駅で出迎えてくれる。飛行機が点と点なら、鉄道は線であり面。「地域挙げて」となるのはやはり線であり面です。だから、鉄道は人々の夢であり続けるのでしょう。

 ななつ星は3泊4日の旅が終わると半分の乗客が泣くそうです。さすがに3泊は難しいですが、もし乗れたら、私も泣くかもしれません。

 いしば・しげる 農相、防衛相、自民党幹事長などを歴任し、現在地方創生担当相。自他共に認める鉄道ファン。鳥取県出身。58歳。

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