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余録

落語「御慶」では…

 落語「御慶(ぎょけい)」では、年末にはしごの上の鶴の夢を見た男が富くじを買う。鶴は千年、はしごは八四五、鶴の千八百四十五を買おうとするが、はしごは上るものゆえ鶴の千五百四十八がいいとの占いで思い直し、めでたく大当たりの初春となる▲実は化学の授業で習った元素の周期表も夢の「大当たり」の産物だという。ロシアの化学者メンデレーエフは各元素をカードにして、学生に教える順序を考えているうちにうたた寝をした。「すると夢に表が出てきた。すべての元素があるべき場所に収まっていた」▲後世、第101番元素は彼の名からメンデレビウムと命名された。周期表で92番のウランの後にある元素は人工的に作られ、程なく崩壊する放射性元素である。しかし周期表に掲げられれば、その名前は末永く生き続ける▲こちらの寿命はわずか1000分の2秒、理化学研究所の加速器による原子合成実験で検出できたのは9年間で3回だけだった。それが周期表に載せる第113番元素として国際的に認められ、命名権が研究チームに与えられるという昨年大みそかのニュースである▲元素の命名といえば、かつて日本人化学者が「発見」した第43番元素のニッポニウムが周期表に載ったことがある。残念ながら後にそれは誤りと分かり、今回の新元素が日本人初の発見となった。ニッポニウムは一度誤りがあった名称のために、もう使えないという▲研究チームの森田浩介(もりたこうすけ)九大教授は「研究者が楽観的で、待ち続けることができた」と歴史的発見を振り返る。こちらも別の意味で「夢」のたまものか。もちろん「御慶」はおめでたいことをいう。

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