経営再建中のシャープの2015年4〜12月期連結決算で、本業のもうけを示す営業損益が赤字となる見込みであることが6日分かった。主力のスマートフォン(多機能携帯電話)向け液晶パネルの不振などが主因で、4〜12月期の営業赤字は3年ぶりとなる。赤字額は100億円を超える可能性もある。シャープは昨年10月、16年3月期通期の営業利益予想を5月時点の800億円から100億円に下方修正したが、液晶事業の業績の急回復が見込めない中、達成できるかは不透明な状況だ。
シャープは15年4〜9月期に251億円の営業赤字を計上。液晶パネルメーカーにとって需要期の10〜12月期はスマホ向けを中心に売り上げ、利益とも改善すると見込んでいたが、中国経済の減速や液晶市況悪化などで目算通りには行かなかった。4〜12月期の液晶事業の赤字は数百億円に上るとみられる。
シャープが16年3月期通期の営業利益予想100億円を達成するには、残りの3カ月(16年1〜3月)で200億円超の利益を上げる必要があり、ハードルが高まった。また、再建に不可欠な取引先銀行からの支援の継続は「通期の営業黒字が最も重要な判断材料」(関係筋)となっているが、液晶の需要動向や市況次第では黒字の確保も厳しくなりかねない状況。官民ファンドの産業革新機構などを相手に進めている液晶事業の売却交渉を急ぐ必要も出てきそうだ。【宇都宮裕一】