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iPS細胞

心筋シート、臨床試験へ…大阪大

 重症の心不全患者をiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って治療する再生医療の実用化のため、大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)らが2016年度に、シート状の心臓の筋肉「心筋シート」を移植する臨床試験(治験)の実施を国に申請する方針であることが分かった。17年度に治験を開始し、20年ごろの心筋シートの販売開始を目指すという。

     重症の心不全患者は国内に約10万人いると推定される。治験には、京都大の山中伸弥教授らが作製を進める拒絶反応の少ない他人由来のiPS細胞を利用する。直径数センチ、厚さ0.1ミリ程度の心筋シートを作製し、機能が衰えた患者の心臓に張り付けて効果や安全性を確かめる。患者自身のiPS細胞を使う場合に比べ、作製時間や費用を抑えられるメリットがある。

     澤教授らは既に、iPS細胞ではなく脚の筋肉の細胞から作ったシートによる治療に成功し、昨年、再生医療製品として条件付きで早期承認された。心筋とは性質が異なる筋肉のため重症度が進んだ患者には効きにくく、今回の心筋シートはより大きな効果が期待できる。

     iPS細胞の臨床応用は、理化学研究所などが14年、目の難病「加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)」の患者の網膜に世界初の移植手術をしたが、製品化に必要な治験としては行っていない。研究グループの福嶌五月・大阪大講師は「慎重に治験を行い、iPS細胞を使った世界初の再生医療製品としての承認を目指す」と話している。【畠山哲郎】

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