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宇宙ステーション 有人活動の将来像こそ

 各国と手を携え、宇宙開発に参加する意義は大きい。だが、継続には明確な将来の見取り図が必要だ。

     2020年で運用期限を迎える国際宇宙ステーション(ISS)について、政府は米国の提案に応じ、24年までの運用延長に参加することを決めた。蓄積した有人宇宙技術の活用や日米関係などを考えれば、延長への参加は既定路線だった。

     ただし、日本の参加延長については費用対効果の点で根強い批判がある。政府はコスト削減に努めるとともに、ISS後の有人宇宙活動の具体像を描くことが求められる。

     ISSには日米や欧州など15カ国が参加している。米国は一昨年、24年までの運用延長を呼び掛け、既にカナダとロシアが賛同している。

     日米両政府は延長に際し、ISSにある日本の実験棟「きぼう」で日米の飛行士が協力し、アジアなど新興国に科学実験の機会を提供することで合意した。実験の試料などを地上に持ち帰る小型回収カプセルの開発なども進める。

     中国は独自の宇宙ステーション構想を進めており、アジア諸国にも参加を働きかけている。今回の合意には、新興国をISSに取り込むことで中国をけん制する狙いがある。

     ISSでの活動は国際協調関係の構築に役立ってきた。日米が「きぼう」を外交面でも活用する意図は分かる。しかし、これでISSの高コストが解消されるわけではない。

     政府のISS関連予算は年間約400億円、累計では約9000億円に上るが、産業応用面で目立った成果はない。政府の行政事業レビューでも、河野太郎行革担当相は「ISSに日本人が行くのを喜ぶ時代は終わった」と指摘していた。

     日本は、ISSの運用経費を無人物資補給機「こうのとり」を打ち上げる形で負担している。文部科学省は、費用を現在の半額の約100億円程度に抑える改良型こうのとりの開発を来年度から始める。実質的なコストを下げるこうした取り組みを、着実に進めていくべきだ。

     そもそも、日本は有人宇宙活動の長期戦略を描けていない。政府は昨年1月に決定した宇宙基本計画で宇宙の安全保障や産業利用重視を打ち出した。一方、国際有人宇宙探査について同計画は「慎重かつ総合的に検討する」との記述にとどまる。

     米国はISSでの活動を火星の有人探査に生かす方針だ。ロシアも有人月探査構想を持つ。17年には、各国の閣僚級が宇宙探査の将来像を話し合う国際会議が日本で開かれる。

     有人宇宙探査で何を目指し、各国とどう連携するのか。政府は透明性のある議論を重ね、国民の理解を得ていく必要がある。

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