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「集会拒否できる」自治体向けパンフ作製

東京弁護士会が作製した「地方公共団体とヘイトスピーチ」

 特定の人種や民族に対するヘイトスピーチの集会に公共施設が利用される事態を防ごうと、東京弁護士会が利用申請を拒否する法的根拠をまとめたパンフレット「地方公共団体とヘイトスピーチ」を作製し、自治体向けに配布している。表現の自由との兼ね合いから対応に頭を悩ませる自治体の担当者らの参考にしてもらい、ヘイトスピーチの規制につなげたい考えだ。

     憲法は表現の自由や集会の自由を保障している。これまで山形県や大阪府門真市が人種差別を理由に公共施設の利用を拒否した例があるが、極めて限られているのが現状だ。

     パンフレットは全20ページで、昨年9月に作製した。どのような場合に施設利用を拒絶できるかを質疑応答形式で紹介している。

     この中で東京弁護士会は、人種差別撤廃条約を根拠に「自治体は差別行為に関与しない義務を負っている」と指摘。「公共施設が人種差別に利用されると判断される場合には利用を拒否できる」と解説している。

     一方で、利用を拒否できるのは「人種差別が具体的に明らかに認められる場合に限定される」とし、利用申請書や団体の活動歴などを参照するよう促した。ヘイトスピーチを行わないよう主催者に事前警告したり、利用拒否する場合には反論の機会を与えたりすることも助言している。

     東京都内の全自治体や議会事務局、全国の弁護士会に配布した。東京以外からも「参考にしたい」との問い合わせが相次ぎ、これまでに全国の25団体に送付。具体的な取り組みについて、東京弁護士会の担当弁護士と話し合いを始めた自治体もあるという。

     都内の自治体の担当者は「集会やデモの目的を事前に詳しく聞くわけではない。警察などと連携して対応しているが、思想信条を重視する立場から施設利用を拒否するのは難しい」と漏らすが、東京弁護士会の伊藤茂昭会長は「ヘイトスピーチは個人の尊厳を否定しており、人権擁護の歴史に反する。表現の自由を理由に許される行為ではない」と話している。【山本将克】

    【公共施設の利用拒否が可能な人種差別行為の具体例】

    ▽「○○人は犯罪者の子孫」などの発言を繰り返す

    ▽「○○人を殺せ」などのプラカードを掲げる

    ▽「○○人のゆすり・たかりを粉砕せよ」などと告知して集会を開く

    【施設の利用拒否が可能になり得るケース】

    ▽人種差別集会を繰り返している団体や個人から申請があった

    ▽施設の利用申請書に特定の民族を侮辱する表現が含まれていた

    ▽集会の案内状に人種差別をあおる内容が書かれていた

    (いずれも「地方公共団体とヘイトスピーチ」参照)

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