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テロ機密情報を交換 偽装難民防止

 【ブリュッセル斎藤義彦】昨年11月のパリ同時多発テロ事件を受け、内戦下のシリアなどから欧州へ戻った元戦闘員によるテロを防ぐため、欧州連合(EU)とトルコがこうした「帰還戦闘員」などのブラックリストを含む機密情報の交換を始めたことがわかった。EU高官が毎日新聞に明らかにした。パリ同時テロでは実行犯が難民を偽装した疑いが強く、越境時の身元確認の徹底などがテロ防止策の核になるとしている。

 機密情報の交換は、昨年11月に行われたEU首脳とトルコのダウトオール首相との協議で合意した。トルコは、欧州からシリアとイラクを拠点にする過激派組織「イスラム国」(IS)などに参加する若者の経由地になっている。両者はISへの流入阻止に加え、元戦闘員の欧州への帰還防止がテロ対策の「焦点になる」との認識を共有。機密情報の交換を含め、外国人戦闘員の越境防止に取り組むことで合意した。

 トルコは既に2万6000人分のブラックリストをEUの情報機関に提供し、対策を取り始めているという。

 協議ではまた、シリア人難民約200万人を抱えるトルコに30億ユーロ(約4000億円)を援助する見返りに、トルコが不法移民の摘発を強化する行動計画を正式承認した。ダウトオール氏は難民・移民対策とともに、外国人戦闘員の越境防止を「完全に実施する」と約束した。EU高官は「お互いを支え合う仕組みが出来上がった」と話した。

 一方、ダウトオール氏は協議の席上、「テロ集団にはいかなる支援もしない」と明言した。トルコ軍機がロシア軍機を撃墜した事件(昨年11月24日)以降、プーチン露大統領がISによる石油輸出をトルコが容認し、支援していると非難していることを踏まえ、テロリストと戦う姿勢をEU側に明確にしたものだ。

 昨年12月に米情報企業が発表した推計によると、シリア・イラクのISなど過激派組織には、少なくとも86カ国から計2万7000〜3万1000人が参加している。EUの警察機構「ユーロポール」は欧州からは5000人が戦闘員になったとみている。パリ同時テロでは自爆した実行犯2人が、ギリシャで難民の滞在登録を行っていたほか、首謀者のアブデルハミド・アバウド容疑者が難民に紛れてシリアから欧州入りした可能性が出てきている。

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