メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

「再現性」の記述「ほぼすべてに欠陥」

米スタンフォード大などの研究チーム発表

 世界で発表された過去15年間の生物医学系の学術論文を抽出して調べたところ、同じ方法で実験すれば同じ結果が得られる「再現性」を確認するための手法が十分に書かれていないなど、ほぼすべてに欠陥があったとする分析結果を、米スタンフォード大などの研究チームがオンライン科学誌プロス・バイオロジーに発表した。資金の提供元などに関する情報がない論文も多く、論文のデータ改ざんや捏造(ねつぞう)の背景になっているとの指摘もある。

     研究チームは、2000〜14年に発表された生物医学系論文から441本を無作為に抽出。そのうち実験データを伴う268本を精査したところ、再現実験に必要な全ての手順や条件を公表している論文は1本だけだった。

     論文の図表類の基になる実験の生データを紹介している論文もゼロで、生データの取り寄せ方法を示した論文も1本しかなかった。また、論文441本のうち51.7%で研究資金の出所の記載がなく、69.2%は企業などとの利害関係を示す「利益相反」の有無を明示していなかった。研究チームは、各論文の研究結果の真偽については検証していない。

     論文の再現性をめぐっては、研究不正が発覚したSTAP問題などをきっかけに、透明性や説明責任が強く求められているが、詳細な実験情報を公開すれば後追いする研究が増えるため、研究者は公開に積極的ではない背景がある。研究チームは「論文の透明性や再現性に対する科学界の関心は増しており、それらの欠如は研究の価値を下げる」と指摘する。【須田桃子】

     研究不正問題に詳しい榎木英介・近畿大講師(病理学)の話 実験手順の記述が不適切だと、再現実験を試みる人の時間や研究資金が無駄になる。研究者側だけでなく、出版社側も不備のある論文を掲載しないなどの強い態度で改善に取り組むべきだ。

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 傷害 ラジオ番組中に共演女性暴行 パーソナリティー逮捕
    2. ドームハウス 地震に強い…被害わずか、600人避難
    3. 憲法のいま 公布70年/10 新設論争/緊急事態条項 「震災便乗」権限乱用に警戒感 /四国
    4. 参院選 比例代表「民主」問題浮上 無効票か案分か
    5. 特殊詐欺 損害賠償求め、組トップを提訴 使用者責任問う

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]