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国会論戦に影響も 「安保廃案」野党は苦慮

 先週始まった通常国会の論戦に、北朝鮮の核実験が影響を及ぼしそうだ。北朝鮮が脅威だとの認識が改めて広がり、安全保障関連法の廃止を訴える野党は対応に苦慮している。自民党側も、当初は昨年末の慰安婦問題に関する日韓合意に対し安倍晋三首相に近い保守層から不満が出ていたが、対北朝鮮での日韓連携への必要性が強調され、合意の説得力が増す結果となっている。

 「強行採決で議事録も取れなかった。このような国会運営で行われた安保法制の採決をどう思っているのか」

 8日の衆院予算委員会で、民主党の大串博志氏は、昨年9月の安保関連法成立に向けた特別委員会での「強行採決」を批判。法律の中身よりも安倍政権の「強引な手法」に焦点を当てて追及した。

 しかし、首相は「アジア、中東の情勢も緊迫している中で、国民の命を守り抜かなければならない。必要な自衛のための措置を考え抜いた結果だ」と述べ、北朝鮮問題などで緊迫する国際情勢への対応の重要性を訴えた。

 民主党は保守系とリベラル系を抱えている。リベラル系に配慮する現執行部が安保関連法反対を打ち出しているのに対し、保守系は「対案路線」を主張。北朝鮮の核実験を受け、党執行部の姿勢に対する懸念が出ている。保守系の多い前原誠司元代表のグループが7日に国会内で開いた会合では「北朝鮮や中東情勢が悪化している。安保反対一色では参院選を戦えない」との声が上がった。執行部が「安保廃止」を旗印に共産党と共闘することにも慎重論が出たという。

 岡田克也代表は10日のNHK番組で、安保関連法反対について司会者から「民主の保守系には異論もあるようだ」と問われたが、「そういう話は聞かない。全面的に白紙化し、必要な対案を出すことは確認されている」と否定した。

 野党共闘を推し進めたい共産党の志位和夫委員長は8日のBSフジの番組で「日本が軍事で対応するのでは悪循環に陥る。北朝鮮はけしからんが、安保法制を自分の軍事力増強の口実に使っている」と安倍政権の姿勢を批判し、「安保法制と今回の北朝鮮問題の解決は別問題だ」と強調した。

 一方、6日午前の自民党外交部会などの合同会議では、慰安婦問題の日韓合意を巡り、「国民感情を含めて納得できない部分もある」「ソウルの日本大使館前にある従軍慰安婦問題を象徴する少女像の撤去がなければ、日本から10億円は出すべきでない」など、首相に近い議員から意見が相次いだ。

 しかし、会議途中の昼前に北朝鮮核実験のニュースが伝わると、表立った不満の声は沈静化した。自民党の額賀福志郎日韓議連会長は7日、額賀派の会合で「北朝鮮の脅威によって日韓連携が重要だと改めて認識した。慰安婦問題で若干の異論がある人もいるかもしれないが、その上の国益という視点から考えることが必要だ」と訴えた。

 北朝鮮核実験の直前に日韓合意したタイミングについて、与党関係者は「首相は自らの靖国神社参拝などで日韓関係をこじらせたのに、運だけはいい」と漏らした。【野口武則、飼手勇介】

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