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内需、輸出入落ち込み 世界経済に影響も

 【北京・井出晋平】中国の2015年の貿易総額が、6年ぶりに減少した。欧州などの景気低迷で輸出が減少したことに加え、中国国内の内需も振るわず、輸入も落ち込んだのが要因。今後も人件費の上昇や景気減速が続くとみられ、拡大を続けてきた中国の貿易は曲がり角を迎えたと言える。一方、世界最大の貿易国・中国の変調は、世界経済の先行きに影響を及ぼす可能性がある。

     「15年の我が国の貿易は、複雑で厳しい1年だった」。13日、記者会見した中国税関総署の報道官は、そう話した。同署が同日発表した15年の貿易統計によると、輸出と輸入を合わせた貿易総額は、前年比8%減の3兆9586億ドル(約463兆円)となった。減少は、リーマン・ショックの影響があった09年以来だ。

     最大の貿易相手である欧州連合(EU)向けや日本向けの輸出が減少した影響で、輸出は2.8%減の2兆2765億ドルとなった。

     一方、輸入も、14.1%減の1兆6820億ドルと大幅に減少した。国際的な資源価格の下落で原油などの輸入額が減少したこともあるが、工作機械や自動車部品、液晶パネルなどの輸入も落ち込み、内需の低迷ぶりを裏付けた形となった。

     中国の貿易総額は、01年末の世界貿易機関(WTO)加盟後、09年を除き、11年まで毎年2桁の伸びを示してきた。12年以降は伸びが鈍化したものの、中国は13年にモノの貿易で米国を抜いて世界一になった。

     しかし、中国国内の人件費の上昇で輸出競争力が低下しており、安価な製品を大量に輸出する仕組みが成り立ちにくくなっている。また、国内景気の減速で、世界中から大量に資源を輸入する構図も変わりつつある。中国の需要減少は、資源価格の下落に拍車をかけており、産油国や資源国の景気を下押しする可能性もある。

    日本企業「減速警戒」「下支え期待」

     中国の15年の貿易総額が6年ぶりに前年割れになったことを受け、日本メーカーの間では改めて中国経済の減速を警戒する声が上がった。ただ、「今後、公共事業などで景気は下支えされる」と期待する見方も出ている。

     「中国での需要が想定以上に弱含んでいる。業績への悪影響が少なからず出そうだ」。中国にスマートフォンの部品を輸出する日本の大手メーカーの関係者は警戒感を強める。

     同社は16年3月期で中国向けスマホ部品の販売拡大を見込んでいたが、昨年夏以降、需要が減少。関係者は「中国は巨大な市場で事業から撤退することはないが、景気の動向を注視したい」と気を引き締めた。

     建設機械大手のコマツでは、11年ごろから中国向けの売り上げが低迷。工場やビルなどの土木事業に使われる建設機械の販売状況は景気の先行指標とも言われ、同社は「今年も下落基調は変わらず、前年同期比で4〜5割程度の売り上げ減を見込んでいる」と説明。ただ、建機業界の関係者によると、地方政府で公共事業の予算を拡充する動きも出始め、景気下支えに向けて明るい兆しもあるという。

     三井物産の中国現地法人「三井物産有限公司」の小泉芳雄・経済研究部部長は「中国は金融緩和などで景気を下支えしながら構造改革を進め、『世界の工場』から『消費大国』に生まれ変わろうとしている。(景気動向だけでなく)日本企業はこうした変化に対応できるかが問われている」と指摘している。【永井大介、片平知宏】

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