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衆院1票の格差 自民は答申を尊重せよ

 衆院議長の諮問機関「衆議院選挙制度に関する調査会」が衆院の小選挙区定数を「7増13減」する一方、比例代表もブロック別定数を「1増5減」して総定数を10減らす改革答申を提出した。

     答申は小選挙区比例代表並立制を維持しながら「1票の格差」是正という緊急課題に応えたものであり、現実的な策だと考える。

     ところが、これでやっと与野党合意に向かうかといえば、そうではなさそうだ。とりわけ衆院で大多数を占める自民党から答申に対する異論が相次いでいるからだ。安倍晋三首相が答申を尊重する考えを再三示しているにもかかわらずである。

     答申は小選挙区を東京など1都4県で計7増やし、13県で1ずつ減らす内容だ。また人口の増減に対応するため5年ごとに都道府県内の区割りを見直すという。確かに現状では自民党が最も影響を受け、党内の選挙区調整も難しくなるだろう。だが「影響を受ける議員が多いから反対」というのは理屈にならない。

     「1票の格差」を是正するには地方の定数を現状のままにして都市部の定数を増やす方法もある。しかし今の国会議員のあり方に対し、ただでさえ厳しい目を向けている多くの国民が総定数の増加に納得するとは思えない。一方、自民党が主張してきたように比例代表のみ定数を削減するのでは少数意見はますます切り捨てられる懸念がある。

     そもそも今回の改革は民主党政権下の2012年秋、自民、公明と民主3党が消費増税に伴って「国会も身を切る覚悟が必要だ」と定数削減で合意したのがきっかけだ。だが、各党の利害が入り乱れ、与野党協議がまとまらなかったから第三者機関に委ねられたのだ。その経過を忘れて振り出しに戻られては困る。

     一昨年末の衆院選での「1票の格差」について最高裁は「違憲状態」と判断した。立法府である国会を担う議員の選び方が「違憲状態」と指摘されることをどこまで深刻に受け止めているのか。改革を実現しようという意欲が感じられない自民党を見ていると、そんな疑問を抱く。

     政界では夏の参院選に合わせ衆院選も実施する同日選の可能性が取りざたされている。答申に沿って小選挙区の区割り変更が行われるとすれば一定の周知期間が必要で、仮に夏の同日選となれば今度の改革は間に合わなくなる公算が大きい。同日選を期待する声が自民党にあるのは、格差是正は先送りしても構わないという党内の空気の表れでもあろう。

     大島理森衆院議長は答申を受けて「今国会での結論」を各党に要請した。安倍首相自ら取りまとめに動き、早期の与野党合意を図るべきだ。

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