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違法な運行管理常態化…過労運転疑いも

国交省監査

 14人が死亡した長野県軽井沢町のスキーツアーバス転落事故で、運行会社の「イーエスピー」(東京都羽村市)では、昨年2月に国土交通省の一般監査を受けた後も、違法な運行管理が常態化していた疑いがあることが同省への取材で分かった。事故後の特別監査では、今回の事故車両に乗務していた運転手以外に、過労運転の疑いがある乗務員が複数確認された。国交省は16日も特別監査を継続し、安全確保のために重要視されるべき運転手の勤務管理が不十分だったとみて実態を詳しく調べる。

 イ社は昨年2月、2014年度の業務について国交省の一般監査を受けた。この際、運転手に定期健康診断や適性診断を受けさせなかったことが発覚。同省は道路運送法違反で一部車両の使用停止を命じる行政処分を今月13日付で出した。

 だが、15日の特別監査で、バス会社の運行の責任者である運行管理者が、事故車両の2人の運転手に経路を指示するために作成した「運行指示書」に、経路の記載がない不備があったことが確認され、監査後もずさんな管理が続いていた疑いが浮上した。

 イ社側は、ツアーを企画した「キースツアー」(東京都渋谷区)側が作成し、簡単な経路が記された行程表と地図を指示書とともに渡し、運転手に経路を指示したとしているが、行程表には2人の運転手が交代する時間や場所などが記されておらず、安全対策が不十分だった。ツアー終了後の点呼では、運転手同士の引き継ぎ状況を確認することになっているが、イ社は往路の途中で事故が起きたにもかかわらず「終業点呼簿」に運行終了を認める印鑑を押していた。

 さらに、今回の事故以外の運行で、国の基準を超えて長時間運転していた社員がいる疑いも浮上。国交省は、どのくらい基準を超えていたかや、何人の運転手が過労運転状態だったかなど、詳細を確認している。

 走行距離や速度などを記録するためにバスに設置されている「運行記録計」に用紙が装着されておらず、運行状況が記録できていなかったケースも見つかった。分析すれば速度超過や無理な長時間運転の有無が分かるため、道路運送法に基づく規定で記録紙を1年間保存することが義務付けられているが、運行状況を分析できないケースがあるという。運転手の免許証の記載事項や有効期限を転記する乗務員台帳にも、複数の不備が見つかっている。

 特別監査で新たに判明したこれらの問題点は、昨年の一般監査で指摘を受けた後の運行を調査して発覚したとされる。国交省は監査を受けても社内で管理体制の改善が進んでいなかったとみて、運行管理者らからも詳しく事情を聴く方針。【内橋寿明、坂口雄亮】

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