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運行代金、基準下回る ツアー会社提案か

記者会見で涙を流す「イーエスピー」の高橋美作社長=東京都羽村市で2016年1月16日午後4時23分、竹内幹撮影

 14人が死亡した長野県軽井沢町のスキーツアーバス転落事故で、バス運行会社の「イーエスピー」(東京都羽村市)が、ツアーを企画した旅行会社「キースツアー」(東京都渋谷区)から、道路運送法が定める貸し切りバスの基準運賃を下回る19万円でバス運行を受注していたことが、国土交通省の特別監査で分かった。イ社を巡ってはずさんな運行管理が相次いで発覚しているが、国交省は利益率の低い受注がイ社の安全運行体制に影響した可能性もあるとみて調べる方針。

 ツアー区間は東京から長野県・斑尾高原で往復約680キロ。国の基準運賃は27万円が下限になる。基準に反する運賃は道路運送法違反で、イ社は行政処分(一定期間の車両使用停止)の対象になる。発注したキ社も旅行業法に抵触し、18日間の営業停止処分となる可能性がある。

 観光庁などは16日、バスを手配した「トラベルスタンドジャパン」(東京都千代田区)に事情を聴いた。ト社側は「キ社から運賃提案があった。最初から基準を下回っていた」と説明。「キ社から『今冬は雪が少なく客も少ない。当面は低い値段でやってほしい』という要望があった」と明かしたという。料金についてはイ社も「キ社と設定した」と話している。

 キ社の福田万吉社長は16日、報道陣の取材に「基準以下の契約とは思っていないが確認する」と話した。

 ツアーバスを巡っては、旅行会社側がバス会社に安価で発注し、バス会社が利益を出すために安全にかかるコストを軽視する実態が指摘されてきた。このため国は45人が死傷した2012年の関越道ツアーバス事故後、貸し切りバスの運賃基準を引き上げた経緯がある。国交省の担当者は「今も下限を下回る運賃が設定されたのは残念。安全を軽視している」と指摘した。

 一方、イ社の高橋美作(みさく)社長は16日、都内で記者会見し、事故車の運転手2人が出発する前に健康状態などを確認する「点呼」をしていなかったことを明らかにした。点呼は道路運送法に基づいてバス事業者に義務付けられた業務で、高橋社長が担う予定だったが、遅刻してできなかったという。

 ツアーバスはその後、運行計画と異なるルートをたどり、国道18号バイパスで事故を起こした。高橋社長は高速道路料金を節約する目的だった可能性について「経費節減で下を走れと指示することはない」と否定した。【内橋寿明、坂口雄亮】

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