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災害援護資金、未返済で行方不明220人

 阪神大震災の被災者に最大350万円を貸し付けた国や自治体の災害援護資金を巡り、未返済のまま行方不明になった兵庫県内の被災者が昨年末の時点で約220人いることが毎日新聞のまとめで分かった。未返済額は約4億1200万円。生活難で多重債務に陥っても国は行方不明者への返済免除を認めていない。回収できないと自治体が肩代わりしなければならず、国と神戸市などとの協議が続いている。

     災害援護資金は東日本大震災でも被災10県で計2万8996人に約508億円(昨年11月末現在)が貸し付けられている。返済開始は2017年からだが、行方不明者の借金は東日本被災地の自治体でも重荷になる可能性がある。

     神戸市では住民票上の住所に住んでおらず、資産も確認できない行方不明者が昨年12月時点で約160人(未返済額は約3億2300万円)。市によると、住民票上の住所の郵便受けが督促状などで満杯だったことや、家がなくなり更地になっていたこともあった。「震災後、事業に失敗して借金まみれになった。縁も切ったので来ないでほしい」と親族が説明したケースもあった。半数は保証人も行方不明。債権が時効になるのを防ぐため、裁判所の掲示板張り出しで訴状などを送達したことにする「公示送達」の件数は借受人と保証人合わせて258件に上っている。

     国は昨年4月、期限から10年経過した時点で、▽破産や生活保護▽資力がなく将来にわたっても返済できる見込みがない−−という場合は免除を認める通知を出した。災害援護資金を担当する内閣府は「通知は資力がないか、それに近い状態であることを求めているが、行方不明者はその確認ができない」と説明。神戸市は「住民票上の住所にいなければ口座の開設すら難しい。生活は厳しいはずで無資力と判断していいはずだ」と主張し、協議は平行線をたどっている。【井上元宏、久野洋】

     【ことば】災害援護資金

     住宅が全半壊するなどした災害被災者に150万〜350万円を貸し付ける制度。原資は国が3分の2、都道府県や神戸市などの政令市が3分の1を負担し、市町村が貸付窓口となっている。免除が適用されず、徴収できなかった分は市町村が負担する。阪神大震災では兵庫県内で5万6422人に総額約1308億円が貸し付けられた。

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