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「竹灯籠」準備の団体、最後の1・17

浮かび上がる「1.17」と「未来」の文字=神戸市中央区で2016年1月17日午前5時49分、久保玲撮影

 神戸市中央区の東遊園地で行われている阪神大震災追悼行事「1・17のつどい」で、竹灯籠(とうろう)を毎年用意してきた市民団体「神戸・市民交流会」が、3月末で解散する。最後の行事参加となった17日、発足当初から関わってきた事務局長の山川泰宏さん(77)=兵庫県西宮市=は、万感の思いでろうそくの明かりを見つめた。

 団体は1998年から18年間、「1・17」の文字に並べた竹灯籠をともしてきた。だが中心メンバー約10人のほとんどが70代となり、NPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯(あか)り(HANDS)」が今回から引き継ぐことになった。

 だが昨年11月、同つどいの実行委員会は、竹灯籠の文字を公募するかどうかを巡って意見が割れる場面もあった。山川さんは双方を制するように「あなたたちは準備を手伝ったことがあるのか」と問いただした。

 山川さんには「つどいの主役は追悼に来る遺族」との思いが強くある。「我々は、遺族に希望を持ち帰ってもらうために汗水流す黒衣」と考えて一貫して取り組んできた。賛否の議論よりも、助け合いや遺族にかかわる覚悟を持ってほしいと願ってのことだった。

 震災21年を担うことになったHANDSは不慣れなこともあり、山川さんらが竹灯籠やろうそく作りを買ってでた。バトンタッチした今回、竹灯籠の文字は初めて公募を試み、メイン文字の「1・17」は変えず、応募の中から選んだ「未来」を小さくあしらうことにした。

 「手を挙げてくれた若者たちの意見には、耳を傾けなければならない」と思う。若い世代につなぐのは、追悼行事の一番大切な課題だからだ。そのうえで「私たち先輩の思いもくみ取り、残すものは残してもらえれば」と期待する。

 山川さんは毎年、東日本大震災が起きた「3・11」とお盆に、宮城県名取市の愛島(めでしま)東部仮設住宅で追悼行事を開いてきた。東日本大震災で妻(当時50歳)を亡くし、長男(同27歳)が自死して神戸の追悼式を2年前から訪れている同市の会社員、木皿俊克さん(59)と交流しているからだ。

 愛島での行事は団体解散後も有志で続けるつもりだ。山川さんは強調する。「阪神大震災は風化していない。竹灯籠で遺族や被災者だけでなく、子や孫、東北にも伝わっている」と。【桜井由紀治、宮嶋梓帆】

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