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高齢者預託金2.7億円を流用

日本ライフ協会の3者契約

全理事が19日に引責辞任へ

 身寄りのない高齢者の支援をうたう公益財団法人「日本ライフ協会」(東京都港区、浜田健士代表理事)が、公益認定法の定める手続きを経ずに高齢者から将来の葬儀代などとして預託金を集め、このうち約2億7400万円を流用し、全理事が19日に引責辞任することが分かった。公益法人を監督する内閣府の公益認定等委員会は是正を勧告したものの、穴埋めの見通しは立っておらず、協会は存続の危機に陥っている。

     高齢者から多額の預託金を集める同種の事業は全国で急速に拡大しており、協会は大手の一つで公益法人だが、他にもNPO法人や民間企業など業態はさまざまで、国は事業者数すら把握していない。同種事業で初とみられる組織的流用が発覚したことで、実態把握が急務となりそうだ。

     協会は2002年に設立されNPO法人や一般財団法人を経て10年7月に公益認定を受けた。1人暮らしの高齢者がアパートなどに入居する際の身元保証や通院の付き添い、銀行手続きの代行から死亡後の葬儀・納骨までを一括契約する事業を全国17事業所で展開。代表的な契約プランでは、利用者が支払う総額約165万円のうち身元保証料など約106万円は協会に入り、残りの約58万円は将来の葬儀費などに充てるための預託金とされる。

     毎日新聞が入手した協会の内部資料などによると、協会は当初、預託金について弁護士などの第三者が預かる「3者契約」を行うとして公益認定を得ていたが、認定の3カ月後、弁護士などを関与させず、協会がお金を管理する「2者契約」を勝手に始めていた。事業内容の変更には委員会の認定が必要だが、協会は委員会に申請しておらず、公益認定法違反の疑いが強い。

     この結果、契約者約2300人のうち、2者契約の約1600人分の預託金約9億円から2億7412万2941円が引き出され、職員の賞与や事務所開設費などに流用された。このうち約1億5000万円は15年3月までに使われ、その後も、委員会の事前了解を得ずに約1億2500万円を「運転資金準備金」に充て、多くを使っていた。

     協会は今月19日の評議員会で全理事8人の辞任を正式決定する。浜田代表は「預託金への認識が甘く収入と同じような感覚があった。(流用分は)契約件数が順調に推移すれば回復できると思っていた」と話している。【銭場裕司、田口雅士】

    公益法人

     学術やスポーツ、慈善その他の公益事業を行う法人を対象に、内閣府の公益認定等委員会などが公益認定法に基づき審査し、行政庁が認定する。登記のみで設立できる一般法人と違い、税制上の優遇措置がある。2014年12月1日時点で9300法人(社団4089、財団5211)。主な公益法人は日本相撲協会など。

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