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保険適用決定 患者ら「ようやくたどり着いた」

脳脊髄液減少症の治療法が保険適用となり、記者会見する患者家族の鈴木裕子さん(右)や患者会の中井宏代表=東京・霞が関の厚生労働省で2016年1月20日午後1時2分、徳野仁子撮影

 脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)の治療法ブラッドパッチについて、厚生労働相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)は20日、来年度からの保険適用を承認した。国の標準的な治療と認められた。保険適用は、患者らが10年以上求め続けてきた、患者救済を進めるために越えなければならない重要なハードルだった。患者らは「ようやくたどり着いた」と喜びをかみしめた。

     厚労省の先進医療会議が14日に「保険適用が適切」と結論付け、中医協に報告した。

     関係学会に働きかけて国の研究班を作り、班長を務めてきた嘉山孝正・日本脳神経外科学会理事長は、取材に「研究を求める社会の声に突き動かされてきた。患者のために役立てた。学会の本分を果たせた」と声を弾ませた。そして「今の診断基準には合致しないが、髄液漏れとの関連が疑われる患者たちがおり、こういう人たちについても研究し、できるだけ救いたい。子どもの患者の研究もする」と話した。

     髄液漏れが診断されずに見逃されていることに2000年ごろ気付き、約2000人を治療してきた研究班員の篠永正道医師は、症状がひどくて働けず、生活保護を受けている患者らを思いやる。「治療を受けずに保険適用となるのを何年も待っている人たちがいる。本当によかった」

     患者らは中医協の閉会後、東京・霞が関の厚労省で記者会見した。

     脳脊髄液減少症患者・家族支援協会の中井宏代表は「保険適用を機に治療する医師が増えれば、さらに研究が進むはず」と期待を込めた。今後の課題として、労災や自賠責の認定基準を髄液漏れの患者に合うよう見直すことや、福祉関係者に髄液漏れを理解してもらうことを求めた。

     次女(29)が中学1年で発症して5年間、原因が分からなかったという千葉県の鈴木裕子さんは「学校と医師の無理解と心ない言葉に苦しんだ。今もこの病気と分からず、いくつも病院を回っている子どもたちがいる。学校の先生たちによく知ってもらいたい」と訴えた。【渡辺暖】

     【ことば】脳脊髄液減少症とブラッドパッチ

     事故やスポーツなどの衝撃などにより、脳と脊髄を包む硬膜から髄液が漏れると、激しい頭痛や吐き気、手足のしびれなどさまざまな症状が起きる。ブラッドパッチは髄液が漏れている付近に患者の血液を注入して漏れを止める治療法。1週間程度の入院が必要で数十万円かかる。

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