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震災復旧談合化 被災地への背信行為だ

 東日本大震災で被災した高速道路の復旧工事をめぐり、舗装工事会社が談合していた疑いが強くなった。

     東京地検特捜部と公正取引委員会が関係先の捜索など強制捜査に乗り出した。復興に使われるべき資金の一部が、談合によって業者の利益にまわっていたとすれば、被災地への背信行為にほかならない。

     特捜部と公取委は、談合の背景を徹底的に洗い出してもらいたい。

     談合が疑われているのは、東日本高速道路会社東北支社が2011年夏に発注した東北や常磐など9自動車道の道路舗装工事12件だ。

     12件の工事は、別々の12社が落札した。大手が「幹事社」となって談合を主導し、中小業者を巻き込んだうえで、入札前に工事の落札業者を決めていたとみられている。

     落札額が予定価格に占める割合(落札率)は平均95%近くに上り、震災直前の工事の平均より14ポイントも高かった。発注元の高速道路会社には、国の復興予算から約490億円が支出され、12件の工事費の大半もこの予算が充てられていた。談合による受注額のつり上げがあったとすれば、業界のなれ合いのために納税者がつけを払わされたことになる。

     震災で材料費や人件費が高騰し、利益を出しにくい環境だったことが、談合の背景にあると指摘される。「一日も早い復旧のために調整は必要だった」と説明する業者もいるとされるが、身勝手な方便だ。

     それにしても、建設業界の談合体質は根深い。

     度重なる談合事件が社会の批判を受け、大手ゼネコンが05年に談合決別宣言をした。06年には、建設業界全体で「旧来のしきたりからの決別」として脱談合を宣言し、会員企業に通達した。

     だが、名古屋の地下鉄工事をめぐる談合事件や、北陸新幹線の設備工事をめぐる官製談合事件など、その後も談合は後を絶たない。

     今回の事件でも、大手ゼネコン系列の舗装工事会社が関与しているとされる。脱談合を宣言しても談合を一掃できないならば、どういう手立てがあるのか。信頼回復のためにも、業界は真剣に議論しなければならない。

     カルテルや談合などの不正をあぶり出すため、06年施行の改正独占禁止法により、不正を自主申告した企業には課徴金が減免される仕組みが導入された。昨年度末時点で250社近くが課徴金減免制度の適用を受けるなど、一定の効果がみられる。今回の事件でも一部の社が談合を自主申告したとされる。

     法令順守を促すため、不正企業への課徴金の割り増しなど一層の法改正を求める声もある。政府は検討を進めてもらいたい。

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