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財政健全化、遠のく…赤字6.5兆円に悪化

20年度見通し

 内閣府は21日に開かれた経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)に、中長期の財政試算を提出した。財政健全化の指標である国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)は2020年度に6.5兆円の赤字となり、昨年7月の試算(6.2兆円の赤字)から悪化した。

 赤字幅の拡大は、17年4月の軽減税率導入に伴い減少する税収約1兆円のうち、6000億円程度の財源が確保されていないことを反映したため。政府は20年度のPB黒字化を目指しているが、達成がさらに遠のいた。

 PBは、国と地方が社会保障や公共事業などに使う経費を新たな借金に頼らずに賄えるかを示す指標。政府は20年度の黒字化とともに、国内総生産(GDP)比の赤字を18年度に1%程度(15年度は3・3%)に縮める中間目標も設けている。

 今回示した20年度のPB赤字6.5兆円は、安倍政権の経済政策運営が順調に進み、経済成長率が名目で3%以上、実質で2%以上となることを前提にした数字。高成長に伴う税収増を反映しても、なお巨額の赤字が残ることを示している。中間目標年の18年度でも、PB赤字9.2兆円、GDP比の赤字1.7%となり、中間目標にはるかに及ばない。

 市場では試算の前提となっている名目3%以上の成長率について「楽観的」との見方が大勢だ。成長率が名目1%半ば、実質1%弱の堅めの想定では、20年度のPB赤字幅は12.4兆円に広がる。【横田恵美】

税収上振れ分、使い道議論 諮問会議

 21日の諮問会議では、民間議員が税収増を安倍政権の重要政策「1億総活躍社会」の実現に向けた施策に振り向けるよう提言。増えた税収の使い道に関する議論を始めた。政府・与党内には消費税の軽減税率の財源に充てたいとの思惑もあるが、夏の参院選を控え、税収減の穴埋めよりも経済成長を優先する議論が展開されそうだ。

 民間議員は会合で、失業者など約950万人の就労や賃上げが実現すると、個人所得が10兆〜14兆円増えるとの試算を提示。税収の上振れ分を、「希望出生率1.8」や「介護離職ゼロ」「国内総生産(GDP)600兆円」を目指す「1億総活躍社会」関連の施策に充てる仕組みを構築するよう求めた。

 安倍政権の発足後、税収は毎年増えており、2015年度も当初の見積もりより2兆円程度上振れする見通し。16年度予算案では、税収は57.6兆円と25年ぶりの高水準を見込んでいる。民間議員の提言は、アベノミクスの効果で増えた税収を子育てや介護支援などの施策に回し、女性などが働きやすい環境を整備して経済の好循環を実現する狙いがある。政府は6月にまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に反映させ、参院選で有権者へのアピール材料とする狙いもありそうだ。

 一方、政府・与党内には税収増を軽減税率の財源に充てるべきだとの意見もある。軽減税率導入による税収減約1兆円のうち、6000億円程度の財源のめどが立っておらず、今後1年かけて財源を確保しなければならないためだ。しかし、本格的な検討は参院選後に先送りする方針で、諮問会議もこの方針に同調するとみられる。【朝日弘行】

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