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英露、新たな火種 プーチン政権反発必至

 【ロンドン矢野純一、モスクワ杉尾直哉】リトビネンコ氏暗殺事件で、英国の独立調査委員会が21日、「プーチン露大統領が承認した可能性」を指摘した。ロシア側の反発は必至で、英露間の新たな火種となりそうだ。ただ、両国関係はロシアが2014年にウクライナ南部クリミア半島を編入してから「冷戦以降、最も悪化している状態」(英メディア)にあり、報告書の公表後も当面、こうした状況が続くとみられる。

     英国のメイ内相は「事件は国際法に違反しており受け入れがたい」とし、実行犯とされる2人が保有する英国内の資産を凍結することを明らかにした。また英外務省はロシア大使を外務省に呼び抗議した。

     報告書で名指しされたプーチン氏や、暗殺を認識していたとされる当時のパトルシェフ・ロシア連邦保安庁(FSB)長官に対する制裁については言及しなかった。キャメロン首相の報道官は「経済制裁は1国でできることではなく、国連安全保障理事会に委ねたい」とした。

     英国王立防衛安全保障研究所のイーゴリ・スチャーギン主任研究員は「英国とロシアの関係は既に冷え込んでおり、これ以上、関係が悪化する余地がない。シリア問題を巡るロシアとの協力も限定されており、大きな影響はない」とみている。

     一方、ロシアは当初から関与を否定しており、プーチン政権としては報告書の内容を認めることはできない。しかも、パトルシェフ氏は現在、プーチン氏が議長を務めるロシア政府の安全保障会議の書記。容疑者の一人と指摘された旧ソ連の国家保安委員会(KGB)元職員、アンドレイ・ルゴボイ氏はロシア下院議員と、2人とも要人だ。

     ただ、原油価格下落などでロシア経済が悪化する中、ロシアは欧米との関係改善も模索する。プーチン政権は反発はするものの今後の対応を慎重に検討していくとみられる。

     報告書の発表を受け、露外務省のザハロワ情報局長(報道官)は21日、「この問題へのロシア政府の立場は変わらない」と述べた。報告書の内容を精査した上でロシア側の評価を発表するという。

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