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石綿訴訟

メーカーの責任認めず…国に3度目賠償命令

大阪地裁判決

 建設現場でアスベスト(石綿)を吸い込んで健康被害を受けたとして、大阪や兵庫などの元建設労働者や遺族ら計30人が、国と建材メーカー41社に計6億9300万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁(森木田邦裕裁判長)は22日、規制に遅れがあったとして国の責任を一部認め、原告14人に計9746万円を支払うよう命じた。同種訴訟で国の責任を認めたのは2012年12月の東京地裁判決、14年11月の福岡地裁判決に続き3件目。

 一方、石綿含有建材を製造販売した建材メーカーの責任は認めなかった。また、個人で仕事を請け負い、企業に雇われる労働者に当たらない「一人親方」は、労働関係法令の保護対象ではないとして賠償を認めなかった。

 国の責任で争点となったのは、労働者が防じんマスクを着用するよう事業者に義務づけるべきだった時期。判決は、建設現場での石綿被害の危険性について、遅くとも1975年までに認識できたと判断。福岡地裁判決と同様、同年10月から着用を義務づけるべきだったと指摘した。国が実際に義務化したのは95年だった。

 また、国は95年に2種類の石綿の製造を禁止した際、クリソタイル(白石綿)も対象に含めなかったことも違法とした。

 メーカーの責任については、原告側は元労働者それぞれの健康被害に影響を与えた企業を絞り込んだと主張し、賠償を求めたが、判決は「石綿含有率が低い建材が一律に除外されている」などと指摘。「メーカーが特定されたとは認められない」として請求を退けた。【三上健太郎】

厚生労働省石綿対策室の話

 厳しい判決と認識している。今後は判決内容を十分検討するとともに、関係省庁と協議した上で対応したい。

石綿訴訟判決・骨子

・国は遅くとも75年、石綿吹き付けなどに従事した作業員が石綿関連疾患を患う危険性を認識できた

・国は75年時点で、事業者に対して労働者に防じんマスクを使用させるべき義務を明示的に定めるべきだった

・「一人親方」に国は責任を負わない

・元労働者が取り扱った石綿含有建材のメーカーが特定されたとは認められない

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