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撃退にGPS活用…位置特定し威嚇、共存図る

山中でサルの気配を感じ、エアガンを構える参加者ら=山梨県南アルプス市で2016年1月24日、後藤豪撮影

 野生のサルが農作物を食い荒らす被害を防ぐため、GPS(全地球測位システム)を使ってサルの群れの位置を特定し、エアガンなどで威嚇して群れを移動させる試みが、山梨県南アルプス市で始まった。サルを殺処分せずに人間への恐怖心を持たせて元の生息圏に戻す、全国的にも珍しい取り組みという。参加者は「サルと人間が共存するため、こうした動きが広まれば」と期待を寄せる。

南アルプス市が試行

 「木の上に山ザル発見」。24日午前、南アルプス市湯沢地区の沢で、山梨市の自営業、網野達也さん(38)がトランシーバーを使って11人の仲間に伝えた。4チームに分かれたメンバーはエアガンを使い、大声を出して威嚇した。GPSで特定したサルの最新位置は無料通信アプリ「LINE(ライン)」で共有。群れの中心となるサルは、目標としていた谷へ移動した。

 獣害対策に取り組むNPO法人「甲斐けもの社中」(南アルプス市)が昨年11月、メスザル1匹にGPSの発信器をつけ、14〜15匹の群れの位置を特定できるようになった。

 GPSで行動範囲を調べると、サルの群れは、集落で栽培している野菜や果実を狙うなど、集落への依存傾向が強いことが判明。地元住民や市などと協議し23、24の両日、初めて実施した。

 同NPOの山本圭介専務理事(33)によると、統計はないものの、ここ10年くらい、目立って被害が増えたという。参加した山梨県北杜市の団体役員、西川幸希さん(31)は「(獣害の)深刻さも分かった」と話した。数年前から白菜やタマネギなどが被害に遭った湯沢地区の男性会社員(70)は「こういうことをやってくれるのはありがたい」と歓迎した。

 今後もGPSを使って群れの動きを把握し、引き続きサルを生息圏のほうに戻すという。山本専務理事は「継続的に移動させることが、サルと人間の境界線を再構築することにつながる」と話した。【後藤豪】

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