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樹齢800年の大杉、無念の枯死

杉の枯死に心を痛める荒木真幸宮司(右)ら=岩手県陸前高田市気仙町で2016年1月23日、根本太一撮影

 東日本大震災の津波で流失した岩手県陸前高田市の今泉天満宮で、1本だけ残った樹齢約800年の杉が伐採されることになった。幹回り2.7メートル、高さ約30メートルの神木だが、枯死したため神社側は危険と判断。氏子らが25日、伐採を了承した。

     今泉天満宮は気仙川沿いにある。菅原道真をまつった京都・北野天満宮を分霊し、江戸城の築城で知られる太田道灌(どうかん)が1481(文明13)年に建立したと言われている。

     杉は地元で「天神の大杉」と親しまれ、江戸末期の北辰一刀流の開祖で、陸前高田出身の千葉周作にゆかりがある。宮司の荒木真幸(まさき)さん(72)は「5歳まで気仙で暮らした千葉の生家は、杉の下にあったと伝えられている」と話す。

     海抜約10メートルの高さにあった社殿は、周辺の町並みと一緒に流失。震災直後、がれきに埋まる陸前高田で、災害対応にあたった自衛隊のヘリコプターが大杉を目印にしたという。

     杉も津波で塩をかぶった。東京の大手造園業者らが蘇生を試み、震災翌年には新芽が生えたものの、2013年ごろには太い枝が落ちた。昨年、専門家から枯死を宣告された。

     「何とか再生させたかった」と荒木さんは残念そうだが、「倒れて復興事業の車が走る道路を塞いだり、枝が落ちて参拝者を傷つけたりしたら……」と、近く神社本庁に伐採の承認を申請する。

     氏子らは現在、神社の再建に向けて奮闘中だ。東京都内でも有志が募金活動を進めている。再建がかなった際には、社殿を支える「心(しん)の御柱(みはしら)」に切った杉を利用するなどのアイデアも出ている。【根本太一】

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