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「押しつけていいの」大阪と福岡で呼びかけ

街頭で「基地の引き取り」を訴える松本亜季さん(左端)ら=大阪府八尾市の近鉄八尾駅前で、貝塚太一撮影

 米軍基地が集中する沖縄の現状を変えようと、「基地の引き取り」を呼びかける市民運動が大阪と福岡で始まった。世論調査では、米軍基地の根拠となる日米安全保障条約に多くの国民が支持を示す。一方で国内の米軍専用施設の74%(面積比)は沖縄県にあり、宜野湾市の米軍普天間飛行場も名護市辺野古への県内移設が進む。活動を始めたメンバーは問う。「日米安保条約は必要と考えるのに、基地を沖縄に押しつけたままでいいのですか」

     大阪で活動を始めたのは市民グループ「沖縄差別を解消するために沖縄の米軍基地を大阪に引き取る行動」。昨年3月に発足した。呼びかけ人の大阪府高槻市の福祉施設職員、松本亜季さん(33)は2004年から辺野古移設の中止を求める運動を始めた。JR大阪駅前で署名を呼びかける活動は10年を超えて続いたが、政府の辺野古移設の方針は揺るがず、沖縄には新型輸送機オスプレイまで配備された。「活動は何の力にもなっていない」と、無力感が募っていた。

     沖縄の一部に基地の本土移設を求める声があることは知っていた。基地が移転すれば、米軍機の事故や騒音被害も一緒に移ってくる。これまで「そんな責任は自分に取れない」と思ってきたが、「背を向け続けることは沖縄に基地を押しつけ続けることになる」と考えるようになった。

     大阪に続き、昨年7月に結成されたのが「本土に沖縄の米軍基地を引き取る福岡の会」。九州大大学院生の里村和歌子さん(40)は「沖縄から『差別だ』という声が出ていることに対し、どう向き合えばいいのかと考えていたところに大阪の活動が耳に入った。福岡でも始めるしかないと思った」と話す。

     大阪のグループでは普天間飛行場の大阪への移設を求め、八尾空港や大阪市此花区の「夢洲(ゆめしま)」など9カ所を候補地として掲げる。今月11日には近鉄八尾駅前で「普天間基地の移設は辺野古ではなく、大阪に」と書かれたビラを配った。

     「なぜ八尾に?」「基地を分散しても解決にはならない」。通行人の多くが否定的な反応を示したが、「沖縄の人に基地を押しつけ続けるのは日本人として恥ずかしい」と理解を示す人もいた。

     毎日新聞と埼玉大が昨年実施した世論調査では、日米安保条約について「維持」や「強化」を求める回答が7割を占めた。松本さんは「日米安保を必要とするなら、本土でも応分の負担を引き受けなきゃいけない。多くの人が自らの問題として考えてほしい」と話す。【遠藤孝康】

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