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60歳以上の1割超の1300人に認知症傾向

法務省推計

 法務省は26日、60歳以上の受刑者の1割を超える1300人程度に認知症傾向があると推計されると発表した。受刑者の高齢化が急速に進む現状をふまえ、同省矯正局が昨年1〜2月に初めて調査を実施した。認知症の受刑者は社会復帰が難しく、刑務所運営への負担も大きいため、同局は「予防や進行を遅らせるためにより有効な処遇を検討していきたい」としている。

     調査は、2014年末時点で60歳以上の受刑者(約9700人)から無作為抽出した429人に実施。簡易知能検査の結果、59人(13.8%)に認知症傾向があり、全国では1300人程度と推計される。65歳以上の高齢者になると51人(16.7%)で全国では1100人程度いるとみられる。また、加齢に伴って割合は上昇し、60〜64歳では6.5%だったが、80歳以上では28.6%に達した。

     調査結果は、他の疾患や障害による認知機能低下などを区別していないため直接比較はできないものの、高齢者の認知症有病率(15%、12年)と同程度だ。ただ、刑務所内は一般社会と異なり、医療や福祉の支援を得にくく、職員にかかる負担は大きい。

     そのため、矯正局は来年度予算案に▽健康指導のために招く専門家を倍増▽刑務所に常勤する社会福祉士を増員−−するための必要経費を盛り込んだ。また、介護・福祉現場での職員研修の拡充も図るという。

     15年版犯罪白書などによると、14年に刑務所に入所した2万1866人のうち65歳以上の高齢者は2283人(10.4%)。統計を取り始めた1991年は1.3%だったが初めて1割を超えた。また、14年末時点の受刑者に占める60歳以上の割合は10年前の1.60倍で、日本の総人口に占める60歳以上の割合の増加率(1.23倍)より高い。【和田武士】

     太田達也・慶応大法学部教授(刑事政策)の話 受刑者の高齢化や認知症の増加は、刑務所内での介護負担や医療費の増加に加え、刑務作業の非効率化など刑務所運営に多大な負担をかける。さらには引受人の確保が困難となり、満期釈放が増え社会復帰に支障が出ることが予想される。刑務所と福祉の連携や社会内での受け皿確保が重要だ。

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