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建材メーカーの責任、初めて認定 京都地裁判決

 建設作業中にアスベスト(石綿)を吸い込み健康被害を受けたとして、京都府内の元建設作業員や遺族ら27人が、国と建材メーカーに計約10億円の損害賠償を求めた訴訟で、京都地裁(比嘉一美裁判長)は29日、国と建材メーカー9社に対し、総額約2億1600万円の支払いを命じる判決を言い渡した。メーカーの責任を認めたのは初めてで、労働関係法令の保護対象ではない「一人親方」といわれる個人事業主の救済につながる司法判断となった。

     判決は▽国が原告15人に計約1億400万円▽メーカー9社(原告ごとに企業は異なる)が原告23人に計約1億1200万円−−を支払うよう命じた。建設アスベストの集団訴訟の判決は5件目。国の責任を認めた判決は、2012年の東京地裁、14年の福岡地裁、今月22日にあった大阪地裁に続き4件目。

     比嘉裁判長は、メーカーと国は1971年には、石綿が含まれた建材を建設現場で使用することで、労働者に肺がんなどの病気が発症することを予見できたと指摘。メーカーが製造販売にあたって警告表示をしなかったことを「加害行為」と認定した。

     そのうえで、「おおむね10%以上のシェアを有するメーカーの建材であれば、労働者が年1回程度はその建材を使用する現場で従事した確率が高く、被害を与えた蓋然(がいぜん)性が高い」と判断し、その基準を満たす9社に責任があると結論付けた。

     「一人親方」については従来の判例通り、労働関係法令の保護対象外とする一方、「(一人親方を)保護する法律を定めなかった立法府の責任を問うことで解決されるべき問題」と付言。メーカーの警告表示義務違反を認めたことで、作業現場にいた「一人親方」10人への賠償を初認定した。

     国の責任については、▽吹き付け作業は72年10月▽屋内作業は74年1月▽屋外作業は2002年1月以降−−にはそれぞれ、防じんマスクの着用義務付けなど規制をすべきだったと判断した。

     判決後に記者会見した原告側の村山晃弁護団長は「企業はこれまで責任回避を続けてきたが、判決は言い逃れは許さないと明確に企業責任を認めた。被害者を救済しなければいけないという心のこもった判決だった。国と企業にしっかり履行を求めていく」と述べた。【鈴木理之】

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