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南沙・太平島を訪問 南シナ海の領有権アピール

中国が埋め立てた七つの岩礁と、台湾が実効支配する太平島

 【台北・鈴木玲子】台湾の馬英九総統は28日、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島で台湾が実効支配する太平島を初めて訪問した。馬氏は到着後に演説し、南シナ海での領有権を内外に向けてアピールした。南シナ海で中国が進める岩礁埋め立てに対して米国や周辺国が強く反発しているが、馬氏の訪問が新たな緊張を呼ぶ可能性がある。

     台湾総統の太平島訪問は、2008年2月に民進党の陳水扁氏が退任を同年5月に控えて訪れており、馬氏が2人目。今回の訪問について馬氏は28日、島の視察と、2月の春節(旧正月)前に島を守る海岸巡防署(海上保安庁に相当)の駐在職員の慰労に加え、太平島の法的地位をはっきりさせることにあると説明した。残り任期が4カ月を切り、実績づくりのための訪問との見方もある。

     馬氏は南部・屏東の空軍基地から輸送機C130で約1600キロ南西の太平島を訪れた。日帰りで往復し、28日夜には台北の空軍基地で記者会見した。

     南シナ海で領有権を主張するフィリピンは、オランダ・ハーグの国際仲裁裁判所に申し立てた仲裁手続きで太平島について「岩礁」と主張している。馬氏は演説で、「(太平島は)南沙諸島最大で、唯一淡水が出る。天然の島だ」と反論した。

     さらに台北での記者会見で「仲裁手続きの裁定が5月か6月に出る可能性がある。太平島が島であるという正確な情報を提供しなければならない。このタイミングで行く必要があった」と述べた。

     米国が馬氏の太平島訪問によって南シナ海の緊張が高まると不快感を示したことに対し、馬氏は「全ての計画は平和を促進させるためで、緊張は起きない。診療所で医療・救助活動を行うなど平和の島として活用できる」との考えを示した。

     馬氏は昨年5月、南シナ海での領有権争いを棚上げし、紛争の平和的解決を目指す「南シナ海平和イニシアチブ」を提唱。共同開発など協力の枠組み構築を呼びかけている。この日の演説でも改めてこの持論を展開した。

     台湾政府は先月12日、太平島で港湾設備の完成を記念する式典を行い、陳威仁内政部長(内相)らが出席。馬氏も出席する意向だったが見送られた。南シナ海問題で米中の緊張が続く中、馬氏の訪問に米国が難色を示したためとされる。

     一方、5月に総統に就任する民進党の蔡英文主席は28日、「南シナ海の主権を堅持する」と述べつつも、同党の代表者派遣は拒否し、一線を画した。

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