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速度と引き換えに車窓から海峡はほんの一瞬

開業を前に、関係者向けの試乗会で走行する北海道新幹線=北海道北斗市で2016年1月28日午後1時52分、手塚耕一郎撮影
開業ムードが高まっている北海道新幹線の木古内駅=北海道木古内町で2016年1月28日午前10時37分、手塚耕一郎撮影
試乗会で、北海道新幹線のH5系車両を取材する報道関係者ら=北海道北斗市の新函館北斗駅で2016年1月28日午前9時14分、手塚耕一郎撮影

 津軽海峡は冬景色だったのだろうか−−。28日にJR北海道が開催した北海道新幹線の報道試乗会。超特急は新函館北斗−木古内駅間をわずか13分間で駆け抜けたが、車窓からの眺めはトンネルと防音壁にしばしば阻まれた。かつての連絡船はもちろん、現行の特急「白鳥」とも比べものにならないスピードを獲得した代償として、鉄道旅行の楽しさが薄れてはいないだろうか。

     ストップウオッチに視線を落とすと、目盛りは5秒も刻んでいなかった。10両編成の2号車3A席。5列シートの左端に腰を落ち着けて、過ぎ去る風景に注意をこらしていた。午前10時ちょうどに新函館北斗駅を出発し、木古内駅への到着までは3分足らずとなったころ。一瞬だけ、津軽海峡を視野に捉えることができた。

     新函館北斗−木古内間は約35.5キロ。高速運転のためには直線ルートが望ましく、そのわずかな距離に6本のトンネルが連続する。高速通過時の環境への影響を少なくするため、地上部分では防音壁も必要となってくる。木古内駅を過ぎた後は、青函トンネルの北海道口(知内=しりうち=町湯の里)までさらに内陸を走ることになるため、「在来線(JR海峡線、江差線)と違い、海峡を見ることはまず不可能だろう」(鉄道関係者)という。

     木古内駅には約30分停車。さすがに見事な海峡の景観を望めたが、通過時にはのんびりとはいくまい。函館山も同様だった。津軽海峡よりは機会は多いとはいえ、帰路に計測してみると計1分少々。最高速210キロでは仕方がないのかもしれないが、試乗会後にJR北海道が「北海道らしい冬の景色だった」(広報部)と総括するほどに堪能できたとはいえない。

     「函館の女」を旅情豊かに歌い上げた演歌歌手の北島三郎さんは、青函トンネルの北海道口がある知内町の出身。高校時代は片道1時間半もかけ、函館市内の高校へと通っていたそうだ。津軽海峡や函館山の風景は、サブちゃんの原点の一つになっているに違いない。

     新幹線に乗った本州からの旅行客は、「はるばる来た」北の大地で何をまぶたに刻みつけるのだろうか。3月26日に開通する新青森−新函館北斗駅間(148・3キロ)のうち、トンネル部分は約65%を占めている。残りは高架橋約23%、橋りょう約4%、路盤約8%となる。

     JTBが実施した「鉄道の旅」に関するアンケート(2009年、有効回答数2199人)によると、旅の良さについては約40%の人が「車窓からの風景が楽しめる」、19・8%の人が「移動中も旅として楽しめる」と答えたという。【高橋昌紀/デジタル報道センター】

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