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31日、65年の歴史に幕…神奈川の県立美術館

鶴岡八幡宮・平家池の水面の照り返しも考慮して設計されたという鎌倉館旧館=鎌倉市雪ノ下で

 日本初の公立近代美術館として1951年に誕生した神奈川県立近代美術館鎌倉(略称・鎌倉館、同県鎌倉市雪ノ下)が31日、最後の展覧会を終え、約65年の歴史に幕を閉じる。最後の企画展「鎌倉から始まった。PART3 1951〜1965」には1月以降、1日平均1000人以上が詰めかけ、モダニズム建築の傑作として知られる建物と展示品が生み出す独特の文化空間に別れを惜しんでいる。

 鶴岡八幡宮の境内に立つ鎌倉館は、20世紀を代表する建築家ル・コルビュジエに師事した坂倉準三(1901〜69)の設計。直線的で軽快な建物は日本を代表するモダニズム建築の一つだ。開館当初から、彫刻家イサム・ノグチの「こけし」を中庭に配置するなど独自性を発揮し、日本初の本格的「ムンク展」などで注目を集めてきた。

 3月に八幡宮との借地契約が切れるのを機に県が美術館としての存続を断念。名建築を惜しむ声に応え、八幡宮が建物を引き取り、文化施設として活用する。

 あいにくの天気となった30日、鎌倉館には2176人が訪れた。坂倉の孫弟子にあたる埼玉県入間市の建築士、佐藤敏勝さん(77)は「美術館ではなくなるが、経年変化すら味わい深い建物が残るのはありがたい」と感慨深げだった。

 水沢勉館長は「閉館に母をなくすようなさみしさを覚えるが、ここではぐくまれた近代美術に共感する人々の力はずっと継承されていく」と話した。【因幡健悦】

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