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救済へ専門家協力…4月立命館大に拠点発足

 冤罪(えんざい)を訴える受刑者らの再審請求を支援する専門家組織「えん罪救済センター」が4月、立命館大学を拠点に発足する。有罪の決め手になったDNA型鑑定や、供述の信用性を大学教授らが再検証する米国のNPO「イノセンス・プロジェクト」の日本版。有罪を覆す新証拠を得るには膨大な時間や費用が必要で、弁護側がアクセスしやすい各種専門家間のネットワークづくりを目指す。

鑑定、供述を再検証

 センター設立の中心となるのは、立命館大の稲葉光行教授(情報学)ら約20人。稲葉教授は、冤罪を招いた2003年の鹿児島県議選を巡る公職選挙法違反事件の強要自白を分析したのがきっかけで、再審請求の支援に興味を持つようになった。稲葉教授は「誤判は必ず起こる。日本の司法には、原因の徹底究明で再発防止に努める制度がない」と話す。

 他の設立メンバーは、シアトルでイノセンス・プロジェクトに関わっていた笹倉香奈・甲南大准教授(刑事訴訟法)、再審無罪になった足利事件で主任弁護人を務めた佐藤博史弁護士らで、今後、DNA型などの証拠の鑑定に詳しい専門家にも参加してもらう。日本弁護士連合会との連携も模索する予定で、持ち込まれた案件を支援できるか判断する基準の検討を進めている。既に10件の相談が寄せられている。

 再審開始決定後、即時抗告審が続く袴田事件の小川秀世弁護団事務局長は「弁護士だけで再審の扉を開くのは至難の業で、袴田事件も多数の専門家に協力してもらった。冤罪被害者はたくさんいるはず。専門家の支援組織は日本にも必要だ」と期待を寄せている。

 発足前に東京と大阪でシンポジウムを開催する。東京は3月18日午後5時半〜8時、TKC本社2階研修室(東京都新宿区揚場町)、大阪は同20日午後1〜6時、立命館大大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市岩倉町)で。問い合わせは大学内の発足準備室(075・466・3362、平日午前9時〜午後5時半)かメール(ipj2015@outlook.com)。【荒木涼子】

米の同様組織、300件無罪証明

 イノセンス・プロジェクトは1992年に弁護士2人で始め、全米に広がった。これまで300件以上の無罪を証明した実績を持つ。

 無罪となった決め手の多くは、専門家に依頼して独自に実施したDNA型鑑定。捜査段階では血液や唾液などのDNA型鑑定が精密に行われないケースもあるといい、イノセンス・プロジェクトは最先端の鑑定手法を駆使し、冤罪を晴らしてきた。

 釈放された元死刑囚らとロビー活動も展開しており、2004年にはDNA型鑑定を受ける権利の保障や試料の保存を義務付ける連邦法が採択された。イノセンス・プロジェクトと同様の活動は欧州などにも広がっている。【荒木涼子】

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