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鴻海支援額7000億円規模 機構側の形勢逆転

鴻海精密工業傘下に入り再建を目指す方向となったシャープの本社=大阪市阿倍野区で2016年2月4日午後、本社ヘリから貝塚太一撮影

 経営不振に陥っているシャープは4日、電子機器受託製造大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業による出資を受け入れる方向で最終調整に入った。鴻海は支援額を7000億円規模に上積みしたとみられる。シャープは1カ月後をめどに正式決定する見通し。シャープ支援を巡っては、経済産業省が所管する官民ファンドの産業革新機構が国外への技術流出を食い止めようと名乗りを上げていたが、外資の鴻海傘下で経営再建を目指す案が有力となった。

     「(提案)内容の精査で、人手をより多くかけているのは鴻海だ」。同日、東京都内で記者会見したシャープの高橋興三社長は、鴻海案に軸足を置いて調整していることを認めた。

     シャープ支援で最初に優位に立ったのは政府を後ろ盾とする産業革新機構だった。経産省は革新機構を使ってシャープの液晶技術の海外流出を防ぐだけでなく、同社を受け皿に東芝の白物家電事業なども統合し、「官主導」で業界再編を進めようと画策。具体策として、革新機構がシャープ本体に3000億円を出資し、液晶事業は分社化したうえで、将来的に革新機構が筆頭株主の液晶大手ジャパンディスプレイ(JDI)と統合させる絵を描いた。

     しかし、独占禁止法上の問題でJDIとの統合は2018年以降になる見込み。主力行からは「2年もかけてJDIと統合しただけでは生き残れない」などの不満は最終局面まで残った。「機構は液晶などの事業の切り売りでシャープを解体するだけ」との警戒感も主力行やシャープ内で高まった。

     その中で局面を大きく変えたのが、1月30日の鴻海の郭台銘会長とシャープ経営陣との会談だ。郭会長は革新機構の倍の6000億円規模の資金をシャープ再生に使う方針を説明したことに加え、雇用を維持して事業の切り売りもしない考えを示した模様だ。

     革新機構案と違い、鴻海案は追加の金融支援を求めないため、主力行は「シャープへの融資金などを回収できる可能性は鴻海案の方が高い」と評価。経産省の姿勢に対し、「外資排除」「税金を使った民間企業救済」などの批判が海外で高まり、「公正な判断」を主力行から求められたシャープは急速に鴻海案に傾いた。さらに鴻海は支援額を7000億円に上積みし、一気に形勢を逆転した。

     一方、革新機構は約2000億円の融資枠の設定をシャープに追加提案。経産省内では「シャープが鴻海案で納得するなら役所や機構が出しゃばる話ではない」(幹部)と諦めムードが漂うが、革新機構はシャープと協議を続ける方針だ。鴻海は過去にシャープに出資する契約を結びながら一転して破棄した経緯もあり、「支援案が実行可能かシャープが見極める必要がある」として再逆転に望みをつなぐ。【横山三加子、浜中慎哉】

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