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中国焦燥 武氏訪朝も説得にはつながらず

北朝鮮が通告したミサイルの予想軌道

 【北京・西岡省二】北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイル発射通告を受け、最大の支援国である中国に手詰まり感が広がっている。北朝鮮の度重なる挑発行為をやめさせるため、国際社会から同国への影響力行使を求められる一方、米韓両国などに同調して強い制裁を加えれば北朝鮮が暴発し、中国の安定を損なうためだ。朝鮮半島の非核化を重要外交課題に掲げる中国だが、北朝鮮に振り回され大国の責任を果たせていない状態だ。

     北朝鮮の首都・平壌を訪問していた中国の武大偉(ぶ・だいい)朝鮮半島問題特別代表は4日、空路、北京に戻った。武氏は「言うべきことはすべて言った」とだけ述べ、空港を後にした。北朝鮮核問題の中国側責任者である武氏が平壌に着いたその日、北朝鮮は「打ち上げ」を通告しメンツをつぶした。

     中国外務省によると、武氏は訪朝中、北朝鮮の李洙墉(リ・スヨン)外相や金桂冠(キム・ゲグァン)第1外務次官、李容浩(リ・ヨンホ)外務次官と会談した。ミサイル発射の自制を促したとみられるが、双方の溝は埋まらなかった模様だ。陸慷(りく・こう)中国外務省報道局長は4日の定例記者会見で「朝鮮半島の現状に関わるあらゆる問題について協議した」と述べるにとどめた。

     北朝鮮の発射予告初日(8日)は春節(旧正月)で、中国人にとって家族だんらんのための大型連休中だ。連休終了後は全国人民代表大会(全人代=国会)に向けた準備に追われる。中国政治にとって重要な期間での発射通告を受け、中国側が北朝鮮に反発を募らせているのは間違いない。

     中朝関係の現状について、中国共産党中央党校の趙虎吉教授は「中国は本当に困っている。北朝鮮に圧力をかける能力はあるが、それによって北朝鮮が窮地に陥るのを懸念している」と分析する。強硬策に出れば、北朝鮮が混乱し、中朝国境が不安定化する。「こうした事態を中国は見たくない。だから、中国はあの手この手で圧迫することは望まない」と強調する。

     中国は北朝鮮の発射通告に「深刻な懸念」(陸局長)を表明しながらも、対話に応じず制裁強化を訴える米国の姿勢も批判している。米国などが北朝鮮への圧力に固執するなら中国も北朝鮮を阻止できない、との立場を前面に押し出し、関係国間の対話を促す立場を取り続けている。

     一方、中朝間の意思疎通の問題点を指摘する声もある。牛軍・北京大学国際関係学院教授は「中国の影響力低下だけでなく、北朝鮮の内部変化も注目すべきだ」と話す。ただ、北朝鮮の具体的な変化は誰も把握できていないと悲観的で、「現状は中国にとって試練だ」と指摘した。

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